ラブホを出たオレたちはコンビニ飯だけだと腹が減るよなぁってなった。
色んな意味で運動しまくってたしな。
とはいえ、雅紀は「艶っぽくてぽやぽやしてる翔ちゃんを他の人の目に入れるわけにはいかない」とか訳の分からんことを言い出す始末だ。
つか、それを言うならまだ色気ダダ漏れなうな雅紀を他の人の目に入れるわけにはいかねぇわ。
ってことで早々にレンタカー屋で車を返却するとサッサとマンションに帰ってきた。
要はUberのEATSさんにお世話になろうという魂胆だ。
「たっだいまーーー」
「おっかえりーーーーー」
情後のオレたちは旅の余韻を残す暇もなく帰ってきたことに顔を見合せてちょっと笑った。
「ぶはははは。なんの余韻もないなんてな」
「ひゃひゃひゃひゃひゃ!ウケるーでごさいますな(笑)(笑)」
ソファーに座ったオレは勢いよく雅紀の手を引き寄せて仰向けに倒れ込んだ。
自動的に雅紀はオレの上に乗っかってくる。
こつん
「ひあ////」
「ひゃひゃひゃひゃひゃ。かっわいー♡」
「オレは可愛くなんかねぇ!!」
「いやいやいやいや。可愛い要素しかないし」
おでこをコツンとしたまま超絶至近距離で雅紀が笑う。
その笑顔が見たいんだ。
いつでもどこでも何をしていても。
太陽みたいな笑顔でいてくれ。
雅紀。
オレの太陽…。
ほんの少しだけ顎を上げて目を閉じると、くふふって笑いながら雅紀の唇がオレの唇に着地した。
ちゅ、ちゅ
ちゅ、ちゅ、くちゅ…
ぐうううううーーーー!!!!
「ぶははははははははは!!!!」
「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!」
「もう無理だ!!飯、発注しようぜ!」
「だね!!!贅沢は今日でおしまいね!!!」
肝心なところで腹の虫が大合唱してオレたちは大爆笑した。
少ししてからUberのEATSさんが届けてくれたピザやフライドチキンを頬張りながらスマホに撮り溜めた大量の写真を見てはキスを繰り返した。
口がベトベトだぁなんて言ってたけど、2人して同じモンを食ってたからそんなことすら面白く感じていた。
「来年はどこに行こっか」
「来年は翔ちゃんと一緒に歩けるようになってるのが目標だな。なにせお姫様抱っこからベッドに放り投げないといけないしな♡」
「そこんとこはよろしくな♡」
「おまかせあれ♡」
ちゅ。
こうしてオレたちの初めての夏休みは終わりを告げていった。