Sounds of joy365 | 愛すべき櫻葉の世界

愛すべき櫻葉の世界

甘々櫻葉と翔ちゃんへの愛を甘くおしゃべりしてます♡




旅館を出発して外房沿いに車を走らせた。

一般道を走るから今日はエアコンを付けずに窓を全開にして外の空気を思う存分楽しめる。


そして。


九十九里の海へ。




「すげぇー。めっちゃ気持ちいいーー🎶」

「海ーーー!!!」


「やっぱ九十九里は違ぇな。太平洋に直だから海も青いな」

「館山の海も綺麗だったけど、なんか違うな」


松葉杖の雅紀の腰を支えながら海岸線で深呼吸をした。

どこまでも続く大海原。

その遥か彼方に見える水平線。

静かに寄せては返す波。

キラキラと光る砂浜。

全てが綺麗だ。


「いつかさ、雅紀が自分で走れるようになったらさ、海岸線ダッシュしようぜ」

「は!?急に何言ってんのー」


「夢なんだよ。好きな人とベタに海岸線でじゃれつくの」

「ひゃひゃひゃひゃひゃ!翔ちゃんって結構ベタなロマンチストだよねぇ」


「うっせぇわ」

「そーいうとこ、可愛いっつってんのよ」


今度はオレが肩を引き寄せられた。

そしてちらっと雅紀を見上げると、優しい顔をした雅紀がゆっくり近づいてくる。


目を閉じてそのキスを受け取った。





「行こっか」

「ん」


ちょっと照れくさくなって雅紀の服をつんつんと引いてそう言ってから駐車場へ向けてゆっくり歩き出した。



さくさく。

さくさくさく。

さくさくさくさく。


足元から聞こえてくる砂の音が静かに心に沁みた。












「いただきまーーす!!」

「いっただっきまーーーーす!!!」


テレビ等で有名な勝浦タンタンメンの店に到着し、女将さんが持ってきてくれたタンタンメンを前に2人で手を合わせて挨拶をすると、近くにいるおじさん2人組がめっちゃニコニコしてオレたちを見ている。


「兄ちゃんたち旅行かい?」

「はい!」

「勝浦タンタンメンは初めてかい?」

「はい!」


「驚くほど辛いから気をつけろや」

「はい!」

「召し上がれ!」

「はい!!」



……。



ぶっふぉ!!!!!


「かれぇーー!!でもめっちゃうめぇー!!」

「ひゃひゃひゃひゃひゃ!翔ちゃん大丈夫??……ぶっふぉ!!」


「雅紀、お前もか!?」

「ごめんごめんっ」


想像より辛かった勝浦タンタンメンにむせながらお互いにティッシュを渡し合っているとおじさん2人組が爆笑してる。


つられてオレたちも笑い出すと、店の中は笑顔で溢れていたんだ。



なんかいいな、こういうの。

みんなが笑っててその中でオレたちも笑ってる。


それだけでめちゃくちゃ幸せだ。