Sounds of joy270 | 愛すべき櫻葉の世界

愛すべき櫻葉の世界

甘々櫻葉と翔ちゃんへの愛を甘くおしゃべりしてます♡



面会時間ギリギリまで病室にいたオレはお母さんと一緒に病室を出た。

タクシーでお母さんを家まで送り届けてからその足で診療所に寄った。


「みんな、今日までありがとう」

「どうだった?オペは?」

「翔やんはちゃんとご飯食べてる?大丈夫?」

「おう。お疲れ様」

口々に斗真とニノが聞いてくる。そんな中、智くんは相変わらずふにゃんと笑いながらオレを労わってくれた。

そして待合室の廊下で絶賛爆睡中の蒼翔の頭をゆっくり撫でていた。


とりあえず手術は無事に終わり、術後の経過次第でリハビリを始めていく。副作用や後遺症についてもまだこれから先のことは分からないけど、骨の中の洗浄については免れられたことを伝えるとみんなは安心した表情になっていた。


蒼翔はオレがしばらく預かることで診療所で適度な運動をしつつ、お母さんの負担を減らしていくことを伝えると、みんなはそれが一番いいんだろうなと賛同してくれた。オレが落ち着くまで潤も来てくれることも付け加えると「相変わらず過保護にされてるなぁ」って爆笑された...。ちっ。



「蒼翔?雅紀は大丈夫だぞ。翔ちゃんと一緒に帰ろうか」

「きゅう...」


「翔、送るから乗れよ」

「あんがと。明日から原チャ通勤にするよ。蒼翔はリュックに入れて...」


「ダメだ。彼氏がちゃんと退院するまでお前は原チャ禁止。ソワソワして上の空になって事故られたらそれこそ迷惑だからな」

「.....」


「任せろ。車でちょっと遠回りするだけだ。ちゃんと送迎するから。それにリュックの中に蒼翔を押し込むつもりだったのか?お前はそれでも獣医師か」

「……すみません……」

斗真にコンコンと説教をされているオレを見ながら、智くんとニノが「ほら、やっぱりここでも過保護にされてるじゃん」ってまた爆笑された...。

もうここまで来たらぐうの音も出ないわ。


「みんなありがとう。これからもよろしくお願いします」


そんなオレの足元を蒼翔がグルグル回ってはしゃいでいた。


で、そろそろ帰ろうかと斗真が車のキーを手にしてケージに入れた蒼翔を斗真の車に乗せようとしていたタイミングで診療所のドアが開いて潤が顔を出したんだ。


「翔。帰るぞーー」

「潤?」


「おやおや。もう1人の王子の登場か。俺の出番はねぇな。おい潤!翔を頼んだぞ」

斗真がちょっとふざけながら潤の背中をバシバシ叩き、潤の胸にオレを押し付けた。