Sounds of joy258 | 愛すべき櫻葉の世界

愛すべき櫻葉の世界

甘々櫻葉と翔ちゃんへの愛を甘くおしゃべりしてます♡




とりあえ最悪の状況からは脱却出来そうだという話を聞くと、病室は安堵の空気に包まれた。


お父さんや岡田さん、そして医療チームが本気で動き出そうとしている。

その事が雅紀の心に光を灯したんだ。


「雅紀。頑張ろう。オレも頑張るから。2ヶ月後の入学式をちゃんと迎えようぜ?な?」

「くふ。まだ合格してねぇよ?」


「何言ってんだ。合格してねぇでどうすんだ。1年間も浪人生活をさせてくれたご両親の前で言うセリフかよ」

「...ごめん...」


ぺしって泣き顔の雅紀のおでこをはたいた。

お父さんもお母さんも岡田さんもなんとなく笑った。


そう。

なんとなく。

だ。



これから激痛に襲われながら治療に向き合う雅紀にこうしてほんの少しだけでも笑ってもらえたことが嬉しい。


少ししてからお父さん、お母さん、岡田さんが病室を出ていくとまたオレたちは2人きりになった。


当たり前のように寝ている雅紀の上に体を重ねて抱き合う時間が愛しい。

こんなにも愛しく思えるだなんてな。


オレが抱きしめてるんだか抱きしめられてるんだか正直ワケが分からなくなるけど、それでもいい。それでいい。






抱きしめあいながらお互いの薬指に嵌る指輪をそっと撫でていた。


「翔ちゃん?」

「んぅ?」


「1ヶ月後に合否発表じゃん?」

「ん?ああ、そうだな」


「合格してたらさ」

「ん」


「くれるんだろ?」

「なにを?」


「翔ちゃん♡」

「.../////」


そうだった。

オレをあげるって言ったんだった。

くふくふ笑いながらオレの腰をグイグイと引き寄せて雅紀が笑う。


そしてそのまま左右に揺れるし、久々にこうして抱き合ってるし。

目の前には雅紀の綺麗な顔があるし。


「翔ちゃん?」

「...んだよ///」


「んー♡」

「もぉ////ばあーか///」


わざとタコのような形をした唇を突き出した雅紀がキスをねだる。

知らねぇぞ。

つか、オレもどうなるか知らねぇけど。


チラッと病室のドアに鍵がかかっているか横目で確認をしてから(院長の息子ということでここは特別室)、雅紀の唇に吸い寄せられるようにキスをした。