Sounds of joy228 | 愛すべき櫻葉の世界

愛すべき櫻葉の世界

甘々櫻葉と翔ちゃんへの愛を甘くおしゃべりしてます♡



左手の薬指に指輪を嵌めて診察に当たる日々。

なんとなくオレの指を見た人達から嵐のようにある噂が広まっていった。


「診療所の翔先生、結婚するんだって?」

「ぶっふおおおおおお!!!」


ある日ふらっと診療所に顔を出しに来た岡田さんと裏庭でブレイクタイムを取っている時に言われて手に持っていた缶コーヒーを吹き出した。


「いやいや、街中の噂よ?イケメン獣医師の左手の薬指に指輪が光ってるんだもん。そりゃあファンクラブのマダムたちは大騒ぎよ?相手は誰だ?どこの令嬢か?ってな」

「岡田さぁん、冷やかさないでくださいよぉ」


「まあ、令嬢じゃなくて相葉総合病院の御曹司だけどな?」

「それを言わないでください…////」


「院長とは会えたの?」

「いや、何度か雅紀経由でアポを取ってはいるんですけど学会だとかなんだとかで…」


「そうだな。院長はいつもあちこち忙しそうだもんな。今度俺も交えて時間を作れるといいんだろうけどな?協力するよ?」

「いいんですか!?ありがとう!!」


「やっぱり櫻井は可愛いなぁ!!!」

「いででででででで!!!!いてぇって!!」


いつものように自慢のプリケツをひねり潰されて悶絶した。

こうしてガハガハ笑いながらオレを明るい気持ちに引っ張りあげつつ見守ってくれる岡田さんの存在がありがたい。


いつも智くんやニノや斗真がいてくれるし、潤とも色んな話が出来るけど、それぞれに言えることもあれぱそうでもないこともあり、それぞれからの言葉もまた違った角度からオレに届けられる。

そう言った意味では岡田さんの存在もとんでもなくデカいんだ。




「ねぇ、それ、櫻井の癖なの?」

「ん?何がです?」


「左手の親指でさ、薬指の指輪を撫でてるじゃん」

「え?あれ?ホントだ…」


岡田さんに言われて気がついたんだ。

手のひらを丸め込めるようにしてオレは親指で薬指の指輪を撫でていた。

まるでそこに雅紀がいるかのように。


そういえば少し前に斗真にネックレスを触ってるなって言われたことがあったかもしんないな。

あの時はネックレスに指輪を通していたから触っていたのか。


そうか。


「いつも雅紀くんと一緒なんだな。櫻井は」

「ふへ。そうですね////」


「ノロケてんじゃねぇわ!!!」

「いだだだだだだ!!!!もおおおお!!!」


「ぐはははははははは」

「勘弁してよおおお」


裏庭には豪快な岡田さんの笑い声と情けないオレの声が響いていた。