「岡田先生!?どうしてここに?」
「ん?相葉院長のお宅の近くで呑んでてさ。通りかかったら雅紀くんの姿が見えるじゃん?んで、コイツ危ねぇことしてんじゃん?そりゃあ助けちゃうよね?ってか、アナタ?坂の下動物病院の櫻井先生??」
雅紀の問いかけに応えながら叩きのめした男をガシガシ蹴りつつ岡田先生はオレの顔を見て驚いていた。
「岡田先生は武術に長けていてめっちゃ強いんだ。通称『師範代』」
「ああ、めっちゃ納得する、それ」
「え?雅紀くんと櫻井先生って?え?え?俺の認識で合ってる??へ?」
「「合ってます。付き合ってます」」
「えええええーーーー!!!!つか、やるねェ、櫻井先生!!」
「いでででで!!!いてぇっ!」
「がははははははは!!」
オレの自慢のプリケツをぐっと握り潰してくる岡田先生。
「いやいや、やるねェってのは雅紀くんかな??」
「いででででで!!いてぇっ!!!」
「ぐははははははははは!!!!」
今度はバシバシと雅紀の肩をぶん殴ってる。
でもなんだろうな。
豪快で明るい岡田先生の存在が恐怖のどん底にいたオレたちの心も救ってくれたような気がした。
「で、どうする、コイツ。警察に突き出す?」
さっきの男の背中をグイグイと踏みつけながら岡田先生が不敵に笑う。
さすが師範代。いろいろ言いながらも男が逃げ出せないようにしてるんだよな。
「翔ちゃんが決めなよ?ね?」
「いや、コイツはそのままでいいです。ここまで岡田先生に締め上げられたらもうおかしなことなんて出来ねぇだろうし」
「いいのか?」
「何よりコイツを警察に突き出すとなると事情説明が必要になる。そうなると雅紀の名前を出さないといけなくなるから…」
「そうだな。それは櫻井先生の言う通りだな」
「はい。でもひとつだけ言いたいことがあるんで時間をください」
「翔ちゃんの好きにしな」
「ああ。櫻井先生に任せるよ」
「二度とこんな事するな。どれだけ怖かったかお前には分からねえだろうけどな。オレと同じ思いを他の人にやったら次は警察だ」
「くっそ……」
「クソじゃねぇ!それはこっちのセリフだ!!」
ガンッ!!!!
男の髪を持ったままのオレは思いっきり振りかぶって勢いよく頭突きしてやった。
激痛に地面に転がる男。
「行け!」
バシッ!!!
今度はそのケツを蹴飛ばしてやった。
「翔ちゃん……めっちゃ怖ぇ……」
「やるぅ〰️🎶櫻井先生〰️🎶」
「いや、手は商売道具なんで傷つけられないでしょ?」
頭突きしてちょっとズキズキするおでこを撫でながらそう言うと雅紀も岡田先生も苦笑してた。