石原慎太郎と三島由紀夫 | 中杉 弘の徒然日記

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毎日・毎日起きている事件について
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※昭和維新の歌(メドレー)

 

   神仏を尊敬しない奴らばかりになった。

 

          人間には心と魂があるのだ!

 

 石原慎太郎は、神奈川県の湘南高校の出身です。湘南高校の1年生の時に民主学生同盟にいち早く入り、学内に社会研究会を作ったのです。所謂、「左翼」ということです。

 石原慎太郎は、暴力左翼思想をもって、一橋大学に入ったのです。大学でも左翼の社会心理学の南博ゼミに所属していたのです。大学の在学中に『太陽の季節』がヒットして、作家になったのです。『太陽の季節』のテーマは何かというと、暴力です。

 弟の石原裕次郎を主人公にして、滅茶苦茶な青春を描いたのです。滅茶苦茶な青春を描いたのですから、秩序ある青年ではなかったのです。欲望を刺激して喜んでいる映画だったのです。描いているものは、暴力です。

 石原慎太郎は、若者の暴力の青春を描いたのですから、暴力に対して非常に関心があったのです。「左翼であり、暴力に関心がある」ということは、左翼による暴力革命も非常に関心があったのだと思います。

 左翼なのですから無神論です。左翼は、「死んだら何も無い」と思っているのです。だから、「人を殺してもよいのだ」という考えになるのです。「死んだら意識がなくなるだけだ」と言っていたのですから、なおさら左翼思想の持主だったのです。マルキストです。マルクスの思想を胸に抱いていたのです。

 それが作家としてデビューしたので、ある面で自分の思想は隠したのです。でも、すぐにわかってしまいます。石原慎太郎は、湘南高校に社会研究会をつくったのです。

 石原慎太郎は、三島由紀夫先生と対談したことがあったのです。その時に石原慎太郎は、肝を冷やしたのです。三島由紀夫は対談の時に刀をもっていったのです。「それは何ですか?」と聞くと、三島由紀夫は「居合の帰りですから」と言ったのです。本身をもっていたのです。

 後で三島由紀夫は、「石原慎太郎との対談で、天皇陛下に対する不敬があったら斬る」と言っていたのです。三島由紀夫が自決をして、「本当だったのだ」と石原慎太郎は初めてわかったのです。

 「あの刀は俺を斬るために持っていたのだ」とわかったのです。三島由紀夫は、本当に自決したのです。自決するだけの根性があるのですから、人を斬ることくらい平気です。「天皇に対して不敬な発言をしたら斬る」と本当に思っていたのです。

 それから、石原慎太郎に幽霊が出てきたのです。2.26事件の幽霊が出てきて、つきまとうようになったのです。石原慎太郎の祖母は、熱心な霊友会の信者だったのです。霊友会の信者は霊を信じていたのです。石原慎太郎は、その孫です。左翼思想にかぶれていたのですが、「霊というものがあるのではないか?」と思いだしたのです。霊は目に見えないから、霊を恐れたのです。

 石原慎太郎の周りに幽霊が出てきて、2.26事件の将校の姿が見えるようになってしまったのです。「あそこにもいる。ここにもいる」と見えるようになってしまったのです。それは、三島由紀夫が自決した後のことです。

 それから石原慎太郎は、急に日本思想を研究し始めたのです。それで、石原慎太郎は、「右翼」と言われるようになったのです。それは、三島由紀夫の影響です。「俺は三島由紀夫に殺されていたかもしれない」と思って、初めて三島由紀夫の著書を真剣に読んだのです。それまでは、東大全共闘の連中と同じ考えだったのです。「三島由紀夫が自主防衛などとバカなことを言っている。そんなことはもうないのだよ。我々は革命を起こして、共産党の歌を歌っていくのだ」という考え方です。

 三島由紀夫の考え方は、真逆です。「革命を起こした社会は、魂を考えなくてよいのか?」という問題提起を投げかけたのです。魂とは何でしょうか? 魂とは自分の肉体を越えていくものです。

 かつて、特攻隊の青年たちは、肉体を越えたのです。三島由紀夫流に言うと、「肉体の河」です。まだ19~20歳くらいの青年が肉体の河を渡るのです。「お父さん、お母さんからもらった大切な体を脱ぎます」ということです。肉体を脱ぐと何が残るのでしょうか?

 「私は霊魂になります」ということです。霊魂の思想を信じないと肉体は捨てられません。「肉体は脱ぎ捨てます。私には霊魂が残ります」ということです。これを特攻隊の青年が信じていたのです。

 特攻隊の青年の写真は皆、笑っています。肉体を越えて、死んだ先は靖国神社に神として祀られたのです。こんな有難いことはありません。神の生命は永遠です。肉体の生命は限界があり、70歳~90歳くらいで終わりです。

 特攻隊の青年は20歳で肉体を捨てて、永遠の生命を選んだのです。そこにこそ、武士の神髄があります。本物の日本男児の意気込みがあるのです。三島由紀夫も魂だけになったのです。

 三島由紀夫は七生報国です。「七回この国のために生まれて死す」ということです。だから、市ヶ谷に乱入した時には、「七生報国」という鉢巻をしたのです。七回生まれてくるのです。「俺はまたすぐに生まれてくるのだぞ」と思って死んだのです。

 七回生まれてこの国のために尽くすのです。それを小説に書いたのが、『豊饒の海』という小説です。この小説は、1巻、2巻、3巻、4巻の主人公は全て違います。でも、共通しているものがあるのです。それは、アザです。お腹に3つくらいのアザがあり、それが共通しているのです。

 前世の姿は知りません。主人公が死ぬと、また次の姿で生まれ変わっているのですが、それを本人は知りません。そのような小説です。「テーマは何か?」というと、「輪廻転生は存在するのか?」ということです。

 肉体を越えた魂は存在するのだろうか? これを哲学的に詳しく書いたのが、3巻の「暁の寺」です。主人公がお坊さんに尋ねます。「仏教では我(が)は無いと言いますが、何が輪廻転生するのだろうか?」と尋ねるのです。我(が)とは、霊魂のことです。

 仏教では、「我(が)は無い」と言います。死んだら終わりということです。禅宗では、「人間は死んだら終わりだ」と思っているのです。法華経だけが、輪廻転生を説いているのです。

 三島由紀夫は法華経を知らないから、法相の唯識論で止まってしまったのです。「霊魂が無いのに、永遠に生きるとは、どのようなことなのか?」 これが悩みになってしまったのです。

 『豊饒の海』2巻で主人公は割腹自殺をするのです。腹を斬った瞬間に「正に刀を腹へ突き立てた瞬間、日輪は瞼の裏に赫奕(かくやく)と昇った。」で終わります。それは、現実にある太陽ではありません。霊の世界の太陽です。それが瞼の裏に赫奕(かくやく)と昇った。と表現しているのです。

 三島由紀夫は霊魂を信じていたのでしょうか? 答えは、霊魂を信じているのです。だから、自分も割腹自殺をして霊魂になったのです。肉体を脱いで「うれしいな。今度はどんな肉体をいただけるのかな」と思っているから、「自分の葬式は仏教で出してくれるな。仏教で葬式をあげると、俺は生まれ変わることができなくなる」と言ったのです。

 そのよう深いテーマをもっている素晴らしい小説です。難しいから、誰も読みません。また、そんな小説を読んでもわからないでしょう。そのような小説に触れて、石原慎太郎は、霊魂の存在を信じるようになったのです。

 だから、2.26事件の幽霊が見えるようになったのです。2.26事件で死んだ将校が表で歩いているのです。始めて、霊魂を信じるようになったのです。それで、物の考え方がガラリと変わったのです。霊魂が存在するならば、共産思想は間違いです。

 死んで終わりならば人間をいくら殺しても何とも思いません。ところが、死んで終わりではありません。共産主義者のように大勢の人間を殺したら、その人間の霊魂が大勢いるのです。それが悪霊になって出てくるのです。

 それで、石原慎太郎は、三島由紀夫と思想的に非常に近くなったのです。それから、石原慎太郎は「左翼は間違っている」と言いだして、文学も変わったのです。非常に日本的なものを求めたのですが、資質の問題があって、あまり本気に求められなかったのです。

 そのような話です。石原慎太郎は、どこから右翼と言われるようになったのでしょうか? 

青年時代は左翼です。小説も左翼の思想です。「左翼の思想とは何か?」というと、「上も下もない。人間は皆、平等なのだ」ということです。「上の奴だけが儲けているのだから、ぶっ殺せばよいのだ」と思っていたのです。ぶっ殺しても、元々何もないのです。土に返してあげただけです。そのような考えだったのです。

 石原慎太郎は、考え方がガラリと変わったのです。それは、三島由紀夫に魂ふりをされたからです。それで、「日本」ということを言うようになったのです。全てこれは、三島先生のおかげであります。これがわからないと石原慎太郎はわかりません。

 

※石原慎太郎は、考え方がガラリと変わったのです。

それは、三島由紀夫に魂ふりをされたからです。

 

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