渡良瀬遊水地は、
栃木県、群馬県、茨城県、埼玉県に
またがる広さが約3300ヘクタール、
東京ドームがおよそ700個入る大きさの
いわゆる広大な河川敷です。
渡良瀬川、思川、巴波川が氾濫した場合、
その洪水を引き受ける役目を担っています。
通常は遊水地内の谷中湖だけにしか
水はありませんが、
洪水が発生した場合は遊水地に水を溢れさせ、
一時的に全体が大きな池となります。
谷中湖がハート型をしているのは、
ハート型の上部の凹んでいる場所に
湖に沈んだ谷中村の神社などがあり、
その地域を残したためということです。
谷中湖に足尾銅山の鉱毒を沈殿させることが、
目的だったという悲しい歴史もあります。
大雨により遊水地内が池になった場合、
このウォッチタワーは
水に囲まれることになります
4階建てのビルくらいの高さがあります。
最も多い時で
地上から4メートルの深さまで
水を貯めることができるそうです。
写真では柱についている白のラインまで
水がくることになります。
普段は湿地や草地のこの場所は水の中。
気象観測装置のある、
ここも水の中ということに。
洪水の影響を受けないように
観測装置は高い場所に設置してあります。
この遊水地は、
内陸部では最大級のヨシ原があり、
今年の7月に「ラムサール条約」の
登録湿地となりました。
豊かな生態系が形成され、
タチスミレなどの
絶滅危惧種の植物も群生しています。
渡良瀬遊水地は治水だけでなく、
自然環境の保全についても
学べる場所でした