ちょっと古いけど……百人一首のマンガ辞典 | 無料塾「中野よもぎ塾」のブログ

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こんばんは、塾代表の大西ですニコニコ

今夜は、私が小学生の頃にかなり読み込んだ1冊を紹介します!
表紙画像が貼れないのですが……

まんが百人一首事典 (学研まんが事典シリーズ)/竹本みつる

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1986年バージョンの、「まんが百人一首事典」です。
その3年前、1983年バージョンというのもあるのですが、私が読んでたのは上の1986年バージョンでした。

まんが百人一首事典 (学研まんが事典シリーズ)/学研

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私は小さい頃から祖父母の家に小倉百人一首カルタがあったので、その存在は知っていましたし、「坊主めくり」は小さい頃からやっていましたが、学校でちゃんと習ったのは小学4年生のときでした。
そのときの授業は、小倉百人一首を全部覚えることに重点を置くのではなく、クラスの全員が3首ずつ自分の担当となる和歌を受け持ち、その3首について「どのようなことを歌ったものなのか?」「詠み人はどんな人なのか?」を調べて発表するというものでした。
また、自分の3首を書いた栞をつくるという作業もありました(栞1枚につき、和歌一首と、カルタにあるような詠み人の姿絵を描く)。
そのときの授業でとっても役に立ったのが、この「まんが百人一首事典」。
どういう歌かはもちろん、詠み人についてもかなり詳しく書いてあり、当時の時代背景にも結構しっかり触れていました。
当然、自分の担当する3首だけでなく、全首についてガッツリ読み込んでしまいました。

全首の中でイチバン好きだったのが、こちら。

長からむ 心も知らず 黒髪の
乱れて今朝は ものをこそ思へ
(待賢門院堀河)


ああ~堀河ちゃんっ!切ない!!
まんが百人一首を胸に、切なさにモンゼツする小4の頃の私。
当時、髪を伸ばし始めていた私。ここから小学校を卒業するまで、伸ばし続けることになったのでした。

ちなみに私が担当したのも恋の歌ばかりで、以下3首でした(覚えてるのがすごい!?)。

難波潟 短かき蘆の 節の間も
逢はでこの世を 過ぐしてよとや
(伊勢)


切なっ!! 伊勢ちゃん、切なっ!
「よとや」っていう音がかわいいですよね~。

忘れじの 行末までは かたければ
今日を限りの 命ともがな
(儀同三司母)


母!死なないで!!

玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば
忍ぶることの 弱りもぞする
(式子内親王)


姫!死んだらアカン!

3首とも、めっちゃ濃厚な恋の歌です。
死ぬとか死にそうとか死にたいとか言ってますからね。歌だけにしてくださいね。


ちなみに伊勢ちゃんの「よとや」というのは、正しくはこういうふうには区切りません。
「過ぐし・てよ・と・や」
です。「てよ」は、古文の完了の助動詞「つ」の命令形です。今でいう「ちょっとやめてよ~」の「てよ」にも通じてるかな(いや通じてないわ)。
でも、なんとなく声に出して読むときに「よとや」という音のつながりがカワイイな~と感じるのは、私だけでしょうか??


ちなみに、このマンガ百人一首事典には、カルタを早く取るためのテクニック(むすめふさほせ、など)もしっかり書かれていたので、私は百人一首大会もめっちゃ得意でございましたよ!


中学生になると古文が始まりますが、私はこれを小学校の頃に何度も何度も読んでいたので、かなりすんなり古文に入ることができました(あと、前にも紹介しましたが田辺聖子さんの「おちくぼ姫」も古文の敷居を低くしてくれました)。

古い本ですが、Amazonの中古で安く手に入りますから、「国語やばいかも~」という人は読んでみるとよいかもしれません!
(ええと、今見たら、19円で出品されてました……)
これ以外にも、新しい百人一首マンガ本はたくさん出ています。