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今日は中学生へのオススメ本のご紹介
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往年のベスト&ロングセラー、黒柳徹子さんの『窓際のトットちゃん』です。
窓ぎわのトットちゃん (講談社文庫)/講談社
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¥700
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もっとマニアックな本を紹介したいとも思うのですが、自分が過去に読んだ本を振り返っても、これは外せないだろうな~と思いまして。
黒柳徹子さんがご自身の子供時代を描いたエッセイなのですが(作中で、子供時代の黒柳さんは「トットちゃん」という三人称で語られていきます)、今の黒柳さんがとても表情豊か・表現力豊かで自由で面白いように、子供時代の黒柳さん=トットちゃんも、本当に面白いです。
トットちゃんは、普通の小学校を退学になり、トモエ学園という、少し変わった教育手法をとりいれた小学校に行くことになります。
オトナになった今は、このトモエ学園の教育法や、ここで大人たちがどのように子供に接しているのかというところを中心に読みたくなってしまうものですが、、、
子供の頃にこれを読んだ私は、そんなふうには読んでいなかったので、ここでは書きません。
私がこれを読んだのは、小学5年生か6年生だったと記憶しています。
そのときに強くイメージに残った場面は、なぜかこの2つ。
・窓から見えるチンドン屋さん
・木の皮の味
トットちゃんは、トモエ学園に入る前の小学校で、チンドン屋さんが学校のそばを通りかかると窓にかじりついて呼び込んでいたのですが、これによってチンドン屋さんに興味を持った私。。。
それまでにも何回か家の前をチンドン屋さんが通ることはあったのですが、いったい何をやっているのか全然わからずにボケ~っと見ていただけだったのですね。
ところが、この本を読んでから、チンドン屋さんに妙に心が引きつけられまして。
商店街に行って見つけると、追いかけてって、「どこから来たんですか?何のためにやってるんですか?」と聞くように……イヤー迷惑子供(笑)。だいたい追い払われてました(笑)。
が、あるチンドン屋さんが、「パチンコ屋さんの宣伝だよ」と教えてくれたモノですから、それからパチンコ屋さんの近くに行く度に、チンドン屋さんをキョロキョロ探すように……。
という、ただそれだけの話なのですが、トットちゃんのお話は描写が生き生きとしすぎていて、トットちゃんが興味がわくことに読者(子供)も思わず引きつけられてしまうのではないかと思っております。「ねえねえ、あれって面白いんだよ、見に行かない?」と、お友達に言われているかのような感覚。
次の「木の皮の味」ですが、コレ元のお話は、自由が丘の駅前でおじさんが木の皮を売っていて、それは何かというと、「かじってみて、にがければ病気、にがく感じなければ元気」と健康状態を確かめるためのものだと。
トットちゃんはそれを、校長先生にお金を借りて買うんですね。
わたくし、この話がずっと頭の中に残ってまして、「木の皮って食べられるの?どんな味なの?」というのを確かめるチャンスというのを狙っておりました。
といっても、そう毎日毎日狙っていたわけではなく、たまに思い出しては「今度かじってみよっと」と思う程度ではありましたが。
そして、中2のときに行われた林間学校で、そのチャンスが訪れました。
森の中をグループでハイキングするという催しがあったのですが、そこでロープを握ってカラダを引っ張り上げながら険しい斜面を登る箇所があり、運動がまったくダメな私は、見事に置いて行かれました
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斜面の下にポツーンと取り残され、とりあえず最後に校長先生が見回ると言っていたから、それまで待とうと思った私。
ところがお腹がすいてきた気がして……。
そこで思い出したのが「トットちゃん、木食べてたよね!?」。
とりあえず、まわりの木の皮をベリベリ剥がして、いろんな木をかじってみました……。
かじるどころか、チューチューと吸ってみたり。わりと、味が、ちがうんですね~~!
ということで、ひとりで木を吸って「味の違いが分かる私」を楽しんでおりました。
そうこうしている間に校長先生が来たわけですが、「何してるの!?」と驚かれ、「そんなの口に入れちゃダメだよ!」と注意されたのは言うまでもありません。
えーと、これやったの、中2なんですよ。
アホですね私。
でも、険しい山道に取り残されても、まったく不安を感じずにひとりで楽しめたのは、トットちゃんのおかげです。
トットちゃんは、「なんだっていいじゃない、楽しくやろうよ」という気持ちを呼び起こさせてくれるんです。
のびのびと、いろんなことを楽しめばいいんだ。そういう気持ちになれる本。
進路のことや、テストのこと。周りの評価や「こうあるべき」という大人の声。
そんなことを窮屈に感じたときには、きっと助けになってくれるんじゃないかなと思います
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