「うどん屋さんって久しぶりですね」
「ん」
「何にする?」
「んー」
「かずは何食うの」
「俺?どうしようかなぁ」
手元のメニューを見て迷うさとしと、そんなさとしに話しかけながら自分の食べたいものを考えるかずなり。
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「決まった?」
「んー」
「はい!どれ?」
かずなりの子どものような丸っこい指先がメニューを持つ。
その独特の持ち方にさとしの頬は緩む。
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「んーーー。これ!」
「はい。...オヤジさん、コレとコレお願いします」
「あいよっ」
元気なオヤジさんの返事を聞いてふにゃっと笑うさとしを見て、かずなりも柔らかく笑っていた。
しばらくするとふたりの頼んだものがテーブルに並んだ。
うどん屋さんなのにカレーライスを頼んだかずなりは、スプーンでカレーライスをすくってさとしの前に差し出すと笑いを堪えられないように口元を手で覆う。
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「ねぇ」
「ん?」
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「あなたの顔とカレーの色がほとんど一緒なんだけど」
「おう。釣り行ったからな」
「それ、威張ることなの?」
「どうだろうなぁ」
真顔のさとしに吹き出しそうになりながら、かずなりはそのスプーンをさとしの口元に運んだ。
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「もう少し嬉しそうな顔してよ」
「いや、この方がいい」
「なんでよ」
「なんとなく」
「ですよね」
幸せそうな顔でさとしを見るかずなり。
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そんなかずなりを愛しそうに見つめるさとしがどんな時より優しい顔をしてることは、きっとかずなりだけの秘密なんだろう。
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いーふーふの日♡From大宮夫婦