俺を見下ろすさとしからは、ギラギラした男の匂いがする。
甘いこの人の匂いが、雄の匂いに変わる。
それをさせてるのが俺だって思うだけで、イッちゃいそうなくらい嬉しい。
幼い日の俺が惚れたこの人は、どこまでもストイックでダンスを追求してて。
この人は、ダンスの神様に認められたんだと思った。
今だってこの人の真剣なレッスンを見たら、100人が100人惚れるって思ってる。
そんなこの人が俺を抱く時、本気の顔になるんだよ。惚れちゃうに決まってるじゃん。
この人に堕ちきって
この人しか要らなくて
この人にだけ見られたい
大好きなんだもん。
愛してんだもん。
アンタがいなきゃ、生きてられないかもしれないって思うくらい好きなんだよ?
今日みたいに剥き出しの嫉妬だって、俺には嬉しくて仕方ない。
アンタになら束縛されたって良い。
アンタ気づいてる?
気まぐれなアンタが、いつ俺に会いたいと思ってもすれ違ったりしないように、俺はなるべく家に居るんだってこと。
意外と嫉妬深いアンタが嫌がる相手とは出かけてないことも、気づいてるのかな?
でも、そんなことどうだっていい。
俺がそうしたいからしてるんだもん。
俺がさとしと居たいだけ。
俺がさとしを待っていたい。
いつだって、さとしの為の俺でいたい。
それだけだから。
「さとし.....」
俺にキスの雨を降らせるさとしに腕を伸ばす。
首に手をかけてぎゅっと抱き寄せると、さとしの腕が俺の頭を抱えるようにして、深いキスをくれた。
「さとし.....もっと...もっとして?」
「おまえ....」
「さと..が欲しい.....」
「...............」
「ね?さとし.....」
「ヤダっつっても、やめてやれなくなるぞ」
「良いよ...俺はアンタのモンでしょ?」
「この.....バカ...」
一瞬目を眇めて、俺の服を全部剥ぎ取ったさとしは、燃え上がるような目をしてた。