泣きやんだ俺の顔を見てふふって、笑う。
「目え、腫れずに済みそうだな」
「本当に?」
「おお」
「良かった」
「かず.....」
「ん」
「今日、お前ん家泊まっていいか?」
「ん」
「ありがとな」
そのあと、冷たいジュースを買ってもらって、念のため少しだけ目元を冷やして、スッと差し出された手を握って立ち上がると、手を繋いだまま、さっき出てきた楽屋に戻った。
楽屋に戻ると、翔さんと相葉さんも来ていて、だけど潤くんはソファーで眠ったままだった。
「二人してどこ行ってたの?」
「荷物あるのに居ないから、どうしたんだろうねーって言ってたんだよ」
「眠かったから、自販機行ってきた」
「え?2人で?」
「1人で行ったら眠くなりそうだったから、かずに付き合ってもらった」
「そっかー」
智が思ったよりうまく誤魔化してくれて、なんだかクスクス笑ってしまう。
「なに笑ってんだよ」
「なんでもないですよ?」
後ろから抱きしめるみたいに羽交い締めにされながら、笑うのが堪えられないでいたら、ホホをムニっとつねられた。
「もうっ、痛いよ」
「やーらけえ」
「ごめんは?」
「ごめんな?」
「なんで疑問形なのよ」
「なんでだろうなあ」
智に抱えられたままで、バカみたいな会話をしてたら、椅子に座る翔さんと相葉さんの会話が聞こえてきた。
「あれってイチャついてんのか?」
「なんかラブラブカップルみたいだよね」
「あの2人、付き合ってると思う?」
「うーん。にのちゃんとおーちゃんなら有り得る気がする」
あの人達、何考えてるんだろ?
普通、有り得ねーって、なるところじゃないの?
「んんっ、なに?仕事始まる?」
目覚めたらしい潤くんが、ソファーから起き上がると、智に抱き抱えられる俺を見て、一瞬目を丸くした。
それでもすぐに普通の顔に戻って、ぐるっと首を回してから、伸びをした。