ヒナとヨコが騒いでて、そう言えばみんなが居たんだってことを思い出して、恥ずかしくて顔があげられない。
さとしの肩に顔を押しつけるようにして、じっとしてたら、お節介で優しい幼なじみの声。
「あー、ニノちゃん耳が真っ赤!かーわいい」
「ばっ!バカじゃないの!」
思わず頭を上げて怒鳴っちゃった。
そしたらすかさず頬を両手で包まれて、幼なじみの顔が目の前にある。
さとしの肩にもたれる俺の顔を捕まえて、おでこをコツンと当てて、ニコニコしてる。
「かずくん」
お前、ずるいよ。
こんな時にその名前で呼ぶなんて。
それは、俺たちがまだ何物でもない頃からの呼び名でしょ?
完全なプライベートの時にだけ、お前はその名前で俺を呼ぶ。
そうされたら、俺が素直になるのを分かってるのか分かってないのか、たぶん全体的によく分かっちゃいないんだろうけど。
とにかくミラクルな人だからね。
本当に、ずるいよ。
「かずくん...良かった」
「うん」
「幸せ?」
「うん。幸せです」
「じゃあ、良いよ。おーちゃんに任せてあげる」
「まーくん.....ばか」
「もー、素直じゃないなあ。そこは、まーくん大好きでしょ?」
「..........」
「かーずくん」
「.....まーくん大好き」
「可愛いーーー!!」
「ちょっ、相葉ちゃん痛え」
俺の言葉に喜んだ相葉さんは、さとしごと俺をぎゅうっと抱きしめたから、さとしが苦しいってジタバタしてる。
「あはは、ごめん」
そう言ってはなれる瞬間、ほっぺにチュッてキスした。
ヤバッて、思った時には遅くってさとしの手が頭の後ろにまわされて、唇が重なってた。
恥ずかしくてなのに気持ち良くて、混乱する俺の唇をペロっとさとしの舌が舐める。
いつもの合図
思わず唇を開きそうになるけど、ギリギリで耐える。
もう、ダメ.....
そう思った時にグイッと身体を引かれて
「お前らほんまにええ加減にせえよ!」
ヒナの怒鳴り声が聞こえた。