大宮さんの妄想bl小説です。
色々、大丈夫な方のみお読み下さい。
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家に帰って、取りあえずシャワーを浴びて、ビールを飲もうとしてやっぱりやめた。
かずから連絡があったときに、シラフで会いにいきたい。
買ってきたコンビニ弁当を食って、お茶を飲んだ。
そわそわ落ち着かなくて、テレビをつけたけど音がするのも落ち着かなくて、結局消した。
滅多に飲まないコーヒーをいれてソファーに座った。
かずの声が聴きたくて、DVD をセットした。流すのは“それはやっぱり君でした”にした。あの曲唄うかずは、本当に良い顔してたんだ。いつも舞台の階段から見てた。
すげえ淋しい曲なのに、ちょっと羨ましいような気がする。あんな風にずっと想って貰えたら、幸せだよなって。
たぶん、おいらがあいつの気持ちが欲しくてしかたないから、そんなこと思うんだ。
「山ちゃん、手強いと思うよ。あいつ本気だもん」
帰り際、相葉ちゃんの言った言葉が胸を刺す。そいつと二人きりで今も居る。
もしも、今二人の気持ちが通じてしまったら、あいつを受け入れてしまったら、おいらはどうなる?どうしたら良い?
考え始めたら、居ても立ってもいられなくて、マネジャーに電話した。
「あのさ、かずに相談したいことあって、ちょっと連れてってくんない?かずん家に」
マネジャーは、珍しげな声を出したけど、おいらが引かない時の声だと思ったのか、すぐに連れていってくれた。
「かずには、おいらが連絡したから、マンションのオートロックだけ開けて。部屋教えてくれたら、おいら、直接行くから」
滅茶苦茶言ってるのはわかってたけど、かずが、おいらのすることに甘いのを知ってるマネジャーは、黙って言うことを聞いてくれた。
山田が居るのはわかってる。連絡も来ないかも知れない。でも、少しでもかずの近くに居たかった。
そしたら、かずがおいらから、離れて行かない気がして。
かずの部屋の階でエレベーターを降りて、そのホールの隅にある休憩スペースに座った。
小さな応接セットがあって、壁で仕切られたそこは、おいらが時間を潰すにはちょうどよかった。
どれくらい経ったんだろう。
ガチャっとドアの開く音がした。
小さいけどかずの声がして、エレベーターホールに近づく足音。
突然止まった足音が、小走りに戻っていく。
山田の声が途切れ途切れに聞こえる。
キス... 聞こえた単語に我慢できずに、廊下を覗いた。
覗いたおいらを呪いたい。
山田の腕に抱かれて、かずがキスを受けていた。
余りのことに頭が真っ白になる。
でも、見つかったらヤバイって、壁に隠れて、そのままズルズルと床に座り込んだ。