大宮さんの妄想bl小説です。
色々、大丈夫な方のみお読み下さい。
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かずに、好きだと言った。
スタジオから楽屋に戻る廊下で、隣を歩いてたかずに声をかけた後輩。
「和さん」
その声の柔らかさに驚いた。その呼び方も。
この間は、和也さんって読んでたよな?
いつの間に和さんになったんだ。
反射的にかずを、横目で確かめる。
照れくさそうに、嬉しそうに笑うなんて、お前、こいつが好きなのか?
お前の好きなのはおいらじゃないの?
そりゃ、昔みたいな熱い目は見せてくれなくなったけど、それでも繋ぐ手から、おいらに伝わってくる優しいものは、あれは、愛情じゃないのか?
あの日から、おいらはずっとお前が好きなままで、だけどそばに居てくれたから、気持ちは変わらなかったんだって思ってた。
違ったのか?
お前、とっくにおいらに愛想尽かしてた?
かずが誰かのものになる。
初めて現実のこととして、俺の前で起きようとしてる。
いや、初めてじゃないか。
あれから、おいらもお前も、何人かの女の子と付き合ったよな。長続きはしなかったけど。
それでも、お前が本気じゃないのはわかったから、おいらはお前が戻ってくるのをいつも待ってた。
だけど、今回は違う。
おいらの本能が気をつけろって言う。
だから、廊下の角を曲がったところでかずを、待ち伏せた。
気持ちを確かめようと思ったけど、こんな廊下でそんなこと出来るわけないし、今日の夜会えるかって聞いたんだ。
だけど、山田と会うって。
しかも涼介なんて呼んでて。
なんだよ。おいら、間に合わなかったのか?もしかしてもう遅いのか?
そう思ったら、楽屋から帰ろうとするかずを掴まえて、「好きだ」って言ってた。
かずは、なんにも答えてくれないまま、帰ってしまった。
かずを掴んでた手は、宙にさまよって、おいらの身体の横に戻った。