俺達は、男同士。
最初はお互い戸惑ったね。
まさか、自分が男を好きになるなんてって、揺れまくった気持ちを、お互いに持て余すようになって。
俺は、他の人があんたに触れるのが嫌で、笑いかけるのもモヤモヤして、むーっとしてた。
あんたは、俺をそばに置きたがって、なのに近づきすぎると、逃げて行って。
どうしようもなく引き寄せられて、惹き付けられて。
お互いが必要だって分かった。
それで、手を取り合ったんだよね。
戸惑いながら、気持ちを繋げて、あっという間に身体も繋げて。
繋がった身体から、気持ちが溢れて、初めて感じる、満たされる幸せ。
満たされることを知って、俺は、前よりあんたに夢中になった。
もしも今、織姫と彦星みたいに離ればなれになったら?
そばに居ても、触れることが許されなかったら?
それでも、俺の気持ちは変わらない。
会えないなら、会えない日の分だけ。
触れることが許されないなら、触れられない日の分だけ。
あんたを想う気持ちが強くなるだけ。
今日は、七夕。
先月珍しく、さとしに予定を聞かれて、何でって聞いたら、仕事終わったらうちに来いって。
「待ってるからな」
なんて、あなたの方が仕事遅かったらどうすんの?
そう思っても、誘われたことが嬉しくて、ニヤニヤしちゃったのは仕方ないと思う。
この現場が終わったら、急いでさとしの部屋に行こう。
さとし、待っててくれてる?