「さとしー?ただいまー」
さとしの家について、玄関のドアを合鍵で開ける。
真っ暗な廊下に、まだ帰ってないのかな?って思った。
リビングにも居なくて、仕事長引いたんだなって考えながら、お風呂の用意をしようと思ったら、寝室のドアが少し開いてるのに気づいた。
「さとし?」
寝室のドアを開けたら、そこは一面星空だった。
「おかえり、かず」
「ただいま。ってか、何これ?凄いんだけど...... 」
さとしに話かけながら、ベッドの上のさとしの隣に座る。
「そうだろ?」
「うん。本当にすごいよ」
「前にさ、かずの誕生日の企画で、出張プラネタリウムみたいなのあっただろ?」
「あー、うん。あったね」
「あの人に頼んで、やってもらった」
「え?」
「ん?」
「マジで?」
「おう」
「なんか言われませんでした?」
「いや、別に。かずを驚かせたいからって頼んだら、本当に仲良いんですねって言われたかな?」
「言われたかなって.....」
「ダメだったか?」
「いいえ。嬉しいです。ありがとね、さとし」
「良かった~。かずがさ、天の川銀河の話してたじゃん?あれ聞いてさ、お前と銀河の中に行きたいって思ってたんだ」
「そうなんだ」
「そう。そしたら、あの企画があって、運命だと思ったもん、おいら。」
「ふふっ」
「かず、星の数ほど沢山の人が居ても、お前が俺の一番だからな」
「なっ... 何、突然」
「いつも、言えないけど、宇宙に二人だけだと思えば、言える。」
「かず、好きだよ」
「お、俺も!好きです」
優しく笑ったさとしの唇が、俺の唇を塞いで、俺は、星空の中でさとしとひとつになった。
「星より綺麗だよ」
囁かれたキザなセリフが、結構嬉しかったことは、さとしには内緒にしておこう。
おしまい