「何だか壮大なコントを撮っているようでした(笑)ありがとうございました!」
って、あなた、それは思ってても、言っちゃダメなヤツじゃないの?
雑誌に、大野さんの、初のラブコメの撮影終了の記事が小さく載ってて、そこに花束持ったあなたの言葉が書いてあった。
「そうだよね~。」
読んですぐに呟いてしまって、我に返る。
撮影前から、ずっと頑張ってたあなたの邪魔はしたくないから、出来るだけあなたの家には行かないで過ごそうと思ってた。
だけど、その日が来たら淋しくて、時々泣いてしまって。
次の日、どうゆう訳かあなたにバレてて、あなたの家に連れて行かれたよね。
結局、俺は、あなたのそばを離れられなくて、ほとんど居候みたいに毎日あなたの部屋に帰った。
「俺、邪魔じゃない?」
「は?」
「いや、だから、俺は、あんたの邪魔になんないの?」
「なんで?」
「いや、俺が聞いてるんだけど。」
「あー、邪魔なヤツ家に入れないだろ?」
「はい。」
「そうゆうこと。」
「......はい。」
言葉、足りないよなあ。
そうゆう人なんだけど。
分かってるんだけど。
時々で良いから、言葉にして色んなこと言ってくれたらいいのに。
そんなあんたが、壮大なコントみたいって、そんなことだけ口から出るの?
毎週、痩せる思いで見てたから、あんたのその言葉を読んで。
ごめんね、ほっとした。
もしもをいっぱい考えて、無駄に神経消耗して、挙げ句にあんたに心配されて。
俺、やっぱり独占欲半端ないみたい。
今度の映画の撮影中は、ずっとあんたの家にいる。
誰にもあんたを取られたくないから。