大宮さんの妄想bl 小説です。
色々、大丈夫な方のみお読み下さい。
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「あなた... 。」
「ああ、和美。ソファーに座ろうか。」
「ええ。」
かずは、すぐに二人のお茶をいれて持ってきた。
おばさんは、一口お茶を飲んで、かずをじっと見た。
「和くん。なんだか久しぶりに会うみたいな気がするわ。」
「お母さん... 。」
「和美、大丈夫か?」
「ええ。少し眠ったら、なんだかいつもより頭がはっきりしてるの。不思議ね。」
そう言って、おばさんは、ふわっと笑って、かずの手を取った。
ソファーの角で二人、膝が触れる位置で、かずの瞳をじっと見て話すおばさん。
「和くん、あなた、長い間ごめんなさい。私、長い、長い夢を見てた気分なんだけど、あれは夢じゃなくて、現実のことだったのね?」
「お母さん。」
「優ちゃん、死んじゃったのよね。... ずっと信じられなくて。眠ったままで居たいって、思ってたの。事故も、優ちゃんのことも夢だって思いたくて......。ごめんね。ごめんなさいね。」
かずを抱きしめて、ぽろぽろ涙を流すおばさんは、驚くほどかずと似ていた。
「さっき、智くんの話してるのを聞いて、急に空気が変わったの。淡い色の景色がね、パッと鮮やかになったの。ビックリしてそして、思い出したの。優ちゃんが死んじゃった時のこと。」
「... う... ん。」
「優ちゃん、和くんのことばっかり言ってた。大切にしてあげてって。私の分までって言ってたのに... ごめんね、和くん。」
今度はかずが泣き出してしまった。
小さな子どものようにわあわあ泣いて、おばさんにしがみついてる。
そんなかずとおばさんを、おじさんが抱きしめた。
「私が、悪かったんだ。」
「おと... さん... 」
「和が、優の振りをするのを許しちゃいけなかったんだ。すまない、和也。悪かった、和美。君の産んでくれた、大切な息子を苦しめた。本当に悪かった。」
かずは、涙でぐしゃぐしゃの顔で、なのに綺麗に笑った。
「お父さん、お母さん、ありがとう。」
そう言って、俺に手を伸ばした。
俺はその手を取って、かずをギュッと抱きしめた。
かず、キツかったよな。
辛かったよな。
すごいよ。
俺、お前みたいなこと、出来ないよ。
頑張ったよな。
遅くなったけど、俺、ずっと
かずのそばに居るから。
これから、ずっとずっと、
お前のこと大事にするから。
どんなに遠くまででも
一緒に歩いていこう。
ずっと、手を繋いで
同じ方向を見て
遠くまで
この手を伸ばして
幸せを掴みに行こうな。
おしまい