皆様お久しぶりです。今春より、私中村は開業鍼灸師さんを集めて「地力塾」というものを開講した、ということは前のブログでお知らせしました。

 

 現在順調すぎるほど順調にカリキュラムが進んでいます。その中で、「免疫を知れば、疾患の捉え方が変わる」と、免疫学を集中的に学んでいこうという趣旨で講義が展開しています。その中で、塾の中だけではなく、他の人にも知ってもらったらいいなという内容をアップします。不定期ですので、ご理解ください。

 

 ところである先生から「丸々という本、すごく難しい」というお話がありました。免疫学は、初学者向けでさえ難しいのに、選択を誤ると、まったく何が書いてあるのかわからないという事態になって、結局学習が頓挫する、というのがパターンです。

 

 そこでどんな順序で勉強すれば良いのか、それをここで示していこうと思いました。

並んでいる書物は、すべて講談社のブルーバックスです。これらは「ポケットに科学を」というキャッチフレーズでさまざまな領域をわかりやすく(?)解説しています。本も千円ちょいでとても安いです。

 

 とりあえず免疫を知るために私が今までに読んできたものをざっくりアップしましたが、下ほど基礎的、上ほど高度。左ほど読みやすく、右ほど難解、という順序に並べてみました。あくまで私見です。

 

 これらを10冊くらい読めれば次は、

こういうものに進んでいきます。王道は右上の「エッセンシャル免疫学」です。これは絶対に抑えたい1冊です。免疫学イラストレイテッドというのも良いと言われていますが、私はこちらを選択しました。これがきちんと読みこなせたら、ここにある他の書物がある程度は読めるようになります。

 

 時間はかかりますが、とにかく根気良く取り組めば、どんどん視界が開けてきます。

 

勉強とは、どんな壁にあたっても、絶対に投げ出さないこと。

必要なのは根気と根性のみ。これにつきます。

 皆様、お久しぶりです。還暦を迎え生まれ変わったつもりで新しいことに取り組もうと、今年から新たに塾を開講しました。

 

 名付けて「地力塾」。塾生を募集したところ12人の先生方が入塾されました。関東から四国まで、本日は10人が集まられました。初めての先生もおられ、新しい風が吹き込まれました。とても人懐っこい先生で、すぐにみんな打ち解けて、初対面とは思えない雰囲気となりました。

 

 本塾は鍼灸に真剣、患者さんに真剣に向き合っている先生方が、自分や自院の更なる向上を目指して、新しい気付きを得ようとする会です。

 

 すでに両方とも20ページ以上に及ぶ冊子「緒言と心がけ」と「ワークノート」(すべてオリジナル)を配布し、その後毎週1題の思考課題をお送りしています。

 

 朝10時から愛知以東の先生方5人が分離研修第一班で集合。1時から2時間、10人全員が共通研修を受けられ、3時からは関西以西の先生5人が残り、第二班分離研修項目を受けられました。

 

 共通研修項目は「地力塾開講の目的」。与えられるのではなく、作り出せる存在になるため、いかにして自分の中に地力を育むか、その方法論をお話ししました。

 

 分離研修は「鍼のお作法」の解説と実技演習。そしてアウトプット訓練。当院で行っている問診を実際に供覧しました。そしてこれも実際に当院のスタッフが行うアウトプット練習を、一人一人にやっていただきました。辿々しい先生から、私を超える先生までおられました。

 

 今回の塾は、過去に開催したものの発展形として、先生方の確実なレベルアップを目指していただきます。

 

 次回は9月に開催することになりました。

 

 写真は塾生の先生が送ってくださった塾開講のお祝いの花。望外の喜びです。ありがとうございました。

 

 皆様、おひさしぶりです。日々、いろいろなことがありつつも、忙しさにかまけてついぞブログは放置気味。

 

 コロナもほぼほぼ終わりましたね。昨年は本院は週に6日、分院は週に3日半のみ開けて、年間総来院数は8,037人となり、これに5月まで担当していた生殖医療施設での不妊鍼灸を加えると、1日平均30人をはるかに超える来院数となりました。コロナ前の状態に完全に戻ったようです。

 当院を勧めてくださる患者様、ご近所様、そしてありがたいことに医師の方々のおかげです。誠にありがとうございます。

 5月は、宮城県仙台市で行われる、全日本鍼灸学会でランチョンセミナーを担当することになりました。実行委員長の三瓶先生が、

 

「中村先生は、言いたいこと言うだろうから、枠にとらわれないようにランチョンで」ということになりました。

 

 東京医研と日進医療器に頼んで、お弁当などの経費分担をお願いしたところ、両社とも二つ返事で引き受けてくださいました。

 

 多分5/26(日)のお昼になると思います。その頃休診日がありますが、詳しくは院内掲示をご覧ください。またご興味のある先生は、是非とも来聴ください。私、このセミナーを転換点として、ここから全く異なる領域に入っていこうと思っています。

 

 座長は、私がお世話になった厚仁病院の松田先生が担当します。久々の再会を楽しみにしています。

 

 皆様、今年もよろしくお願いいたします。

 先週は、初のインバウンドを経験しました。お昼にたまたま1時間の空きがあったのですが、その時にいきなり2人の外国女性がやってきて

 

「Acupuncture?(鍼治療?)」

 

で、詳しい文は覚えてないけど、

 

「予約は必要ですか?」

 

「必要ですが、偶然、今なら空いています。

 ところでどちらの方が希望ですか?」

 

「2人とも。

 料金はいくらですか?」

 

で「five thousands(五千)とまで言っただけで、

 

「O.K.」と言われ、seven hundreds(七百)は打ち消されてしまいました。

 

どこが調子悪いんですか?と訊いたら、

 

ひとりは腰痛、もうひとりは肩こり。

 

で予診表(英語表記)に書いてもらって治療開始。

 

多分希望されるだろうなと思って、

 

「写メ撮りましょうか?」

 

「わお!お願いします」

 

ということで、体に鍼が刺さっているところをふたりとも写メりました。

 

鍼の経験がない、日本語全く話せない20代のアメリカ人女性2人が、飛び込みでいきなり鍼を受けにきた勇気に驚き。

 

 この日、もう一つの「初」は納豆カレーを食べたこと。これまで、気持ち悪いとしか思ってなかったが、食べてみると結構いけました。バリエーションが増えて嬉しい。

 日曜日、私中村は滋賀の分院で治療を担当しています。今日は初診で、「数日前から両耳のこもり感がひどくて、気が変になりそう」とまで言われた男性が来院されました。耳鼻科で2週間服薬後、一旦寛解しましたがその後に急激に悪化。聴力低下、めまい、その他の症状はありません。

 

 私も左耳が難聴になった時は、こもり感(閉塞感とも言われる)、耳鳴り、聴力障害、補充、自声強調など一通り経験しました。が、この男性は両耳同時発症です。すると、突発性難聴やメニエルなどとは病態が異なります。

 

 ここで意識するべきはpv=nRTという気体の状態方程式。基礎化学では頻出の公式です。両側のこもりの同時発症、耳管狭窄など状況がそろったので、気体の性質から始まり、中耳の構造、内耳の圧センサーと自律神経の連動などの説明をしたところ、「今まで耳に何が起こっているのか不安で仕方なかったが、本当にすごくよくわかった」と喜んでくださいました。文章で説明すると長いし、ややこしいので、割愛。

 

 耳の症状といえば、聴力低下、めまいがもっとも多いのですが、こういったこもり感も非常に不快なものです。

 

 でもやっぱり基礎学習ってすごく大事。基本から説明すると、患者さんに心底納得していただけます。

 

 追記、、、翌日やや寛解。2日後かなり良好とのこと。