※本ブログはシリーズ物になっている為、ぜひ最初からお読みください。


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※前回の記事の続きです 


前回の記事で引用した西南戦争の「大虐殺」の記事であるが、
山本七平はこの記事は創作記事、つまりデマである、と断言している。

令和のインフォデミックにおいても散見されたマスメディアの嘘吐き気質は、
明治のマスメディアの生誕直後には既に具わっていたのであり、
したがって日本におけるマスメディアというものはほぼ先天的にデマを撒き散らすものとして生まれ落ちたものなのだ、
ということは「歴史の教訓」として識っておくべきであろう。


山本がどういった論拠によって「鹿児島県人残虐民族説」を取るに足らないデマである、

と喝破しているかについては、山本流の緻密かつ説得力あるロジックで『「空気」の研究』内で詳述されている。

だが、それをここで掲載するのはさすがに冗長に過ぎるので割愛させて頂く。


いずれにしても、
西南戦争大虐殺のデマ記事を読むと、なんだかどこかで似たよう話を聞いたことがあるような?
─そんなデジャヴに襲われる。

そう。
西南戦争大虐殺のデマの描写は、まるで南京大虐殺のデマのようではないか。

以下、山本七平『「空気」の研究』より引用する。
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【西南戦争は、いうまでもなく近代日本が行った最初の近代的戦争であり…(中略)…
「世論」の動向が重要な問題だった最初の戦争であり、
従ってこれに乗じてマスコミが本格的に活動し出し、
政府のマスコミ利用も始まった戦争である。
元来日本の農民は、戦争は武士のやることで自分たちは無関係の態度(日清戦争時にすらこれがあった)だったのだが、農民徴募の兵士を使う官軍側は、
この無関心層を、戦争に「心理的参加」させる必要があった。
従って、戦意高揚記事が必要とされ、
そのため官軍=正義・仁愛軍、
賊軍=不義・残虐人間集団の図式化を行ない、また後の「皇軍大奮闘」的記事のはしりも…(中略)…
戦争記事の原型すなわち「空気醸成法」の基本はすべてこのときに揃っているのである】

山本七平 /「空気」の研究/文春文庫/48ページより引用

※読みやすくする為、一部改行あり

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(続く)



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