東大の研究者は、「企業は、薬がいらなくなる研究にはおカネを出してくれない」と言う。
新型コロナウイルスの対策として、メッセンジャーRNAワクチンが使用された。
2019年末に、新型コロナウイルスの流行が始まった。
中国の武漢から始まったと言われている。
そして、2020年のコロナ禍の中、ワクチンが実用化された。
しかし、メッセンジャーRNAワクチンが実用化されたのは、人類史上初めてのこと。
異例の短期間で承認された。
日本は、2021年に大規模なワクチン接種が始まった。
メッセンジャーRNAワクチンが実用化される前。
新型コロナウイルス感染者の致死率が高かった頃。
既に実用されている薬、色々な薬が試された。
エボラ出血熱やインフルエンザの治療薬等、様々な治験が進められた。
日本出身の研究者、大村智が研究した、イベルメクチンも、そのうちの一つ。
すると、イベルメクチンの有用性を示す論文が、次々と現れた。
そして、WHOでイベルメクチンの使用を推奨するよう進言された。
WHOで検討された。
ところが2021年、WHOから、真逆の主旨の論文が発表された。
イベルメクチンの有用性は認められなかった、と。
イベルメクチンの有用性を示す論文はあったが、大規模なランダム化比較試験が足りていない、と。
大規模な試験には、長い時間と高いコストがかかる。
メッセンジャーRNAワクチンが異例の短期間で承認されたのに比べて、高いハードルが課せられた。
なぜそんなことになったのか。
2022年、このWHOの論文は、Unitaid(ユニテイド)によって書かれたことが暴露された。
Unitaidは、ビル・ゲイツ財団から莫大な資金を支援されている国際機関である。
また、WHOも、同じ財団から多額の資金提供を受けている。
この論文にかかわった医師たちは、イベルメクチンが新型コロナウイルスの感染に対して有用であることは認めている。
しかし、どういうわけか、どうにもできない。
これを境に、イベルメクチンは効かない、という発表がされるようになった。
私は理系の端くれだが、科学は無力である。
どれだけ研究しても、考察しても、解明しても、それを使うか、潰すかは、科学とは違う領域で決まるからである。