◎モズメイメイ、差し切り! 日曜の予想結果 | NAKAMEの中央競馬重賞予想

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我ながらタイトルを見て、なんてチープなんだと思ったもんだけども、この将棋でいうところの感想戦みたいなこのコーナーはネームバリューがそんなにないので、どうしても在り来たりなワードになってしまう。もうちょっとひねらないとね。

 

 

さて日曜に行われた重賞はクイーンSとアイビスサマーダッシュの2つ。まずはクイーンSから振り返ってみよう。

 

 

勝ったのはコガネノソラ。スタートは五分。大方の予想通りコンクシェルが主張してウインピクシスが番手に付く流れ。ただ3Fは35秒7と1角に入るまでにやや先手争いがあっただけに序盤は流れた。5Fは60秒3でオーバーペースという感じではなく、馬場を思うとやはり少し速めではあるが全体的には脚が溜まりやすい流れだったと思う。その中で道中は中団に位置。後半4Fは11.8-11.6-11.8-11.9と11秒台のラップが並んだが、最近は5F目から11秒台が入る事もあったし前後半含めてそこまできついペースではなかった。その中でジワっと位置を押し上げて4角で前を射程圏、最後はきっちり捉え切った。コスモチェーロの牝系なのでウインマリリンやウインマーレライ、コラソンビートが親戚にいる血統で小脚の利く血統でもあるが、51㌔であることを踏まえてもいきなり古馬相手に通用するとは思わなかった。何度か書いてきた通りゴールドシップはフィリーサイアーで牝馬の方が良く走るが、ロージズインメイにフサイチペガサスだから大一番の一発という魅力ではちょっとどうかと思うところがあるだけに、ある意味秋華賞よりはここの方が買いやすかったのかも。またスイートピーやオークスは結構ペースが流れていただけに、追走の面でも今回は余裕があったかもしれない。京都と内回りは合っているが、GⅠでやるには前述の通りちょっとどうかなとは思うだけに、本番までにもう少し成長してもらえれば。

 

本命のウンブライルは10着。ゲートそのものは悪くなかったが、行き脚が付かず後ろから。元々そんなに速くない方ではあるが距離を延ばしても位置が取れないとなると1周の競馬はどう足掻いても合っていなそう。展開的にも外を後ろから差すには厳しく、コーナーでも上がっていけなくて持ち味を出せなかった。ただ1800という距離に関してはまだ検討の余地はあると思う。ストライクゾーンが狭いしどこで買うか悩ましい馬だが、時計の掛かるワンターンならもっと内容は良くなるはず。

 

2着ボンドガールはゲートで煩かったがいいタイミングで扉が開いた。当初から行く気はなかったようで後方に待機。その後も上手く抜けてきて迫ったが交わし切るまでには至らず。前走は不利を受けて参考外だとしても、1800のスローを後ろから差してくるシーンが思い浮かばなかっただけに思った以上の走り。ただ腐ってもダイワメジャー産駒だし、もう少し前で受けた方が味はあるのでは。3着アルジーヌはウインピクシスが思ったよりも早く下がってきたがちゃんと捌いてインベタの優位性を損なうことなく上手に立ち回った。ワンフォーローズの牝系はこういった操縦性の良さとパワーに優れた面が特徴的で、牝系出身の馬が日曜の札幌で勝っていたけども、馬場も合っていたかもしれない。上位2頭は3歳馬という事で斤量差があったし、その辺を思えば僅差の3着なら現状の力は発揮できたのでは。1周の方がいいタイプだから夏の北海道は相手関係を思うと適鞍がなさそうだが、ちょっと渋った1周なら注意すべき存在になっていきそう。4着ドゥアイズは4角で膨れ気味になっていたように逆手前でコーナーリングをしていた。コーナー角の緩い札幌なのでそれでも進めてはいたが、落ち着いたペースだけにスムーズな加速が出来なかったのは悔やまれる。一番外を回って差してきたところを見れば負けて強しかなと思えるし、確実に馬は成長している。折り合いも付いていたから府中牝馬辺りは巻き返しに適した舞台になるかもしれない。5着コンクシェルは競られながらも先手を奪い切ってオーバーペースにならず運べたし、この馬としては100点の競馬が出来た。最後に踏ん張り切れなかったのは中山牝馬Sの時と比べて斤量を貰っていた影響だろう。となると現状がっぷり四つで組んでも重賞では足りないかなという感じで、馬場なり斤量なり、展開とプラスアルファの恩恵が欲しい。6着スタニングローズはバラ一族だから夏場に状態が良くなるというのは筋の通った話だが、バラ一族は古馬になってからの成長に乏しく、今回の負け方を見ても完成度や能力比較で以前ほどのアドバンテージはないかもしれない。バラ一族はパワーが売りの一つなので雨が降った後なのもよかったと思うし、斤量差を考慮してもパンチの足りない内容か。せめてコンクシェルと並ぶくらいは競って欲しかった。7着イフェイオンはジリジリとした伸びになってしまって距離なのか能力なのか分りかねるところだが、出遅れてから思った以上に行き脚が付いてリズムの悪いリカバリーになってしまった。その分脚が溜まらないところもあったかもしれない。広いコースの方がいいかなという感じもするし、ワンターンマイルで見直す手はある。8着モズゴールドバレルは4角で進路を絞られて追い出しを待たされてしまった。そもそも溜めて切れる馬ではないからもっと位置も欲しかったし、負け方としては阪神牝馬Sに近い。ハナを取る競馬を試していいはず。12着モリアーナは若い頃ならビュンと反応する流れだったと思うが、今はその反応がなくジリっとした伸びに。雨が良くなかったのもあったと思うが、現状は重厚さも出て内容も良くなってこないし復調への足掛かりを見つける段階か。シンガリに終わったウインピクシスはレース後に下馬との情報。展開を思えば明らかに負け過ぎだし、今回はアクシデントと見て参考外でいいだろう。

 

 

続いてアイビスサマーダッシュ。

 

勝ったのは本命のモズメイメイ。スタートはまずまずという感じ。葵Sのようなスタートは最近ないし、現状では出た方だろう。チェイスザドリーム、マウンテンムスメ、テイエムスパーダがそれぞれ好発から先手争いを繰り広げたが、マウンテンムスメが行き切ってテイエムスパーダがすぐ後ろの内、それを見る形でチェイスザドリームが続くという隊列に。2Fが21秒7、3Fが32秒5、後半2F目が11秒1でラスト1Fが11秒7と全体的に数字の上ではそれほど速くないラップに見えるが、日曜は強い向かい風が吹いていて、馬場自体は時計の出る状態だったものの風の影響でタイムが伸びない状況だった。逆に言えばその状況でもここ数年と大して変わらない流れだったので追走はここ数年の中でも結構苦しい流れだったのではないか。その中でモズメイメイは自然なスタートからウイングレイテストを見ながら中団辺り。何度も書いてきたが1200は本来忙しい馬だからこれくらいの位置で無理せず走らせるのがベストポジションで、前走に続いていい形で運べていたと思う。外ラチに寄せきれなかったが馬群を捌くのはあまり得意ではないようで頻りに頭が広いペースを向いていた。そういう意味では外ラチに頼らない競馬も良かったかも。前述の通りタイムが伸びなかったのは仕方ないが、マイペース走行がここでも出来たのが大きな収穫。トップクラスとはまだまだ差があるだろうが、早熟寄りな牝系としては成長の見られる走りが出来ている。ここを使って更に良くなってほしい。

 

1番人気のチェイスザドリームは9着。相変わらずスタートは速く、さっさと好位に取りついた。特に何かケチをつけるような運び方ではなかったと思うしやりたいことは出来たと思うが、その中で見せ場を作ることが出来なかった。時計は前走よりも遅くなったが向かい風なのでそれは仕方のないところ。元々ダートで走っていた馬で前走は馬場そのものが結構荒れていて高速度が低かった。加えて今回の方が相手が強くペースも流れた方なので、条件がきつくなると芝の重賞ではこんなものなのかもしれない。もう少し時計の掛かる馬場になってくれた方が良さそう。

 

2着ウイングレイテストは59㌔であったことや少し前を追いすぎたかなという事を思えば、勝ち負けまで持ち込んだのは完全に地力というか、ここでは力が一枚上だった。悲観する内容ではないのでサマースプリントを制する可能性は残っているし、本質的には1400くらいはあった方がいいと思うのでここを使った効果は大きいだろう。まあ個人的にはレーティングの維持が本当に求められているレースだったから112持っているこの馬が4着内に入って安心している。多分警告は来ないでしょう。3着テイエムスパーダはストライドが伸びるスプリンターで初速では負けるがスピードが乗ってくるとそこからがしぶとい。その点8枠を引いてメディーヴァルより前に行けたのは大きかったし、あれだけスムーズに行ければスピードが乗って減速率も低い走りが出来る。手応え的にはマウンテンムスメより早く悪くなったように見えてバテなかったのが象徴的だ。平坦で直線というこの条件は血統からも恐らくベストで、後は枠次第というところになるが来年も出てきたら軽視が出来ない存在になりそう。4着ディヴィナシオンはスムーズに競馬が出来たが、最後は地力の差か。レース前に雨が降ってきたが雨の馬場は得意なだけにもう少し降り出しが早ければもうちょっと違う結果になっていたかも。あまり小回りが得意ではないから直線の競馬自体は合っていると思う。5着メディーヴァルはもう少し積極的行ければよかったかなと思う面もあるけども、行ってダメ、控えてダメという競馬が続いてたからあれがマイペースなのだろう。前がフラフラしていて進路がスムーズじゃない場面があり、そこを上手く捌けていればもうちょっと差は詰まったかも。この条件は合っているが枠次第という面も…。外ラチに馬が寄ってくるレースの性質上、毎年派手に不利を受けて力を出し切れず負ける馬も少なくないが、8着ロードベイリーフは昨年一昨年と内枠から好走していた。今年も内枠になったが今年は過去2回と比べて最も外ラチを取りに行っていて、その中で捌けず脚を余した。オリオールの血が入るだけに狭いスペースに飛び込んで抜けてくる競馬が苦手で、過去2回は内枠がむしろ良かった好走だったはず。まあその辺を理解していなくても外ラチに頼らず走れる馬だという認識があればあんな競馬をする必要はなかったはずで、ハッキリ言っちゃえば鞍上の馬の理解度が低いのと、なんで外ラチに寄せていくのかを分かっていないのだろう。やろうとしている競馬の質が低い。後ろからの馬なので好走するには条件は色々付くが、直線競馬以外でも好走はしているので相手や展開次第で見直す手はある。10着ジャスパークローネは今回スタートをちゃんと決めて好位追走。ただ中途半端に1頭だけ馬場の中央を走る形になってしまった。もっとちゃんと寄せて併せ馬の形を作った方が良かったのでは。斤量58㌔は楽ではなかっただろうけど、それだけではないだろう。北米の快速血統だしここから立て直す余力が残っているかは微妙な所。16着ファイアダンサーはまたしてもアイビスサマーダッシュで大敗。ここまで負けるとなると夏馬が良くないという事になりそう。そうじゃないと説明がつかない。17着マイヨアポアは直線で捌けずに盛大に詰まり倒していた。前の隊列、手応えを見ていないからこそ起こる事象。あれはダメ、ゼッタイ。

 

 

馬場馬術を見ながらこれ書いてたんですけども、まあフランスの競技場は優雅で素敵ですねえ。ヴェルサイユ宮殿の庭って言ってたかな。金が掛かりすぎる競技で一般にはまず浸透しないでしょうけど、見てて面白いしお金持ちに布教させるべきでは。