◎ステレンボッシュ、底力を見せる2着 日曜の予想結果 | NAKAMEの中央競馬重賞予想

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今週は土日共に休みだったんですけども、色々行くところがあって落ち着かなかったですね。来週も予定が入ってます。ダービーウィーク、果たしてどうなるんでしょうか。

 

 

さて日曜に行われた重賞はGⅠオークス。早速振り返ってみよう。

 

 

勝ったのはチェルヴィニア。スタート自体はまずまずというところ。前走よりは良かった。1角に入る段階ではステレンボッシュを見る位置にピッタリつけていて、本当にまあ凄いなルメールという人は。という感想しか出ない。明日45歳だそうです。レースの流れとしては外からショウナンマヌエラがテンのスピードで先手を奪い、それに続いてタガノエルピーダが付いて行ってこれで隊列が決まったかと思ったが。外からヴィントシュティレが絡んできて先手を奪うような素振りを見せてきた。既に内ラチ沿いに寄せて逃げの態勢を構築していたショウナンマヌエラとしてはこれに突っ張る以外の選択肢はなく、譲らない姿勢を見せたがヴィントシュティレがいっこうに引かなかった。結局5Fを少し過ぎたくらいでヴィントシュティレが先頭に立ったが、2頭の5F通過は57秒7の超オーバーペース。明らかに位置ありきの競馬。後続はこれに付き合ってはいなかったが、タガノエルピーダは前が離れて馬を置く競馬が出来なくなったことでやや折り合いを欠いていたように見えたし、それによって後ろもペースを落とし切ることなく追走。ざっと見た感じでは最後方のスウィープフィートでも5F62秒を切るくらいで走っていた感じで、タガノエルピーダの更に後ろの集団の先頭だったクイーンズウォークで5Fは60秒台程度だろう。時計の出やすい馬場であったことを考慮してもスローな追走をしていたわけではないだろう。その後1200を過ぎた辺りから先頭との差は詰まってきたが、後続が急激にペースを上げたというよりは前が一気に止まったという感じで、6F~9Fのラップ推移を見ても12.1-12.8-12.9-13.4とガクッとラップが落ちている。普通であれば残り5Fくらいから先頭もペースアップするが、それが出来ないくらいのペースでヴィントシュティレは行ったという事。こういった展開の中でチェルヴィニアは終始ステレンボッシュを見ながらピッタリ近いところにいたが、直線では、というかずっと外に張りついて外を回すつもりだったようで追い出してから一気に弾けた。最後の大きなストライドはまさに母チェッキーノ譲り。ハッピートレイルズの牝系は基本的には内回り急坂向きだが、チェッキーノはキンカメの影響が特に強いストライド型だった。この馬もそういった感じだ、というのは何度か書いてきたつもりだが、今回はそれ以上に距離を延ばして適正リズムで運べたことが大きいと思う。前走が平均的に流れたペースだった事も今回に繋がったはずで、後はこの東京2400で最も上手く乗る騎手、ルメールさんを迎えて全ての準備が整った。YouTubeで東京2400はマイルの血が重要だという話を軽くしたけども、チェルヴィニアの祖母ハッピーパスは1600で3勝、1200でも勝利経験があったマイラーで1/4マイラーという形。ハービンジャーという緩さを伝えやすい種牡馬を迎えたからこそなおの事、ハッピーパスのマイラーっぽさというのはいい塩梅になったと言えるだろう。割と完成度は高い方だと思うので秋は他馬と自身の成長度合いが一つカギとなるか。ハイペリオン的ストライドなので京都内がいいという馬ではないだろう。今年のレースレベルとしてはあまりに前が飛ばし過ぎたので中間が判断しづらく何とも言えないが、極端に低レベルである可能性はそんなに高くないのでは。

 

本命のステレンボッシュは2着。マイルのペースに慣れていたせいか道中はやや我慢しながら折り合いをつけるという感じに。4角では集団が密集し、近くにいたチェルヴィニアが外。対してこの馬はインという事でゴチャついたように見えるが、パトロールなどを確認すれば詰まったシーンというのはほとんどなく、前との距離も決して離されていないので、勝負どころの捌きというのはスムーズに出来たように思う。それだけに直線の伸び加減というのはちょっと物足りなさを感じるもので、もう少し接戦になってもいいかなと思ったし、負けるなら差し届かないパターンだろうと想定していたので一瞬抜け出したところから差されるとは想定外の負け方だった。ペース的に出力を続ける流れとなったので、マイラーっぽさがない血統だからその辺の差も出たのかなと思ったけども、残り200を過ぎるちょっと前で右手前から左手前になり、そしてその直後再び右手前に戻ったのだが、その時の動作がとてもぎこちなかった。上にジャンプする感じで手前が替わっていて推進力を失うように見えた。最後の右手前になってからは左手前ほどの勢いがなく、わかる範囲で少なくともゴール前では右後肢の蹄鉄が落鉄していたとの事だから、減速と落鉄の相関性はありそうだ。残念無念という感じだけども、それでも2400で底力は見せてくれたし2着ではあるが桜花賞馬としての名に恥じない走り。これからまだまだ成長は期待できるし、秋はエリザベス女王杯がいい条件になりそう。巻き返しに期待。

 

3着ライトバックは今回もテンションはいつも通りで、馬場入れは先出し。レースでは後ろでそっと乗って、とにかく馬のスイッチを入れないようにという意図が伝わるレース前とレース中。チェルヴィニアの後ろを通り追い出しも極力我慢して出来ることは全部やった中での3着。勝ち馬との差が追っても詰まるどころかやや開いたので、ここは距離適性で負けたとしか言いようがない。キズナ×エクシードアンドエクセル×ダルシャーンで要点はジャスティンミラノと同じだが、こちらの方がマイラーっぽい感じだから離されて3着とは言っても決して悪い走りではない。スイッチを入れないことに重点を置いてレースをしてきただけに2000でもある程度は折り合うと思うし、秋もまだチャンスは残っていそうだ。4着クイーンズウォークはこれまでの重賞2戦と比べても一番正攻法の競馬を行った形だが、ペースや展開を思えば頑張った方だろう。見た印象でしかないが、本気で走りたがらないような面がうかがえる馬なので、2400がベストという事はないと思うが中距離くらいレースの時間があると馬がよく頑張ってくれる側面もあるのでは。パドック的には前走の方が良かったかなという感想で、ここに向けてよく作ってはいるがベストはもう少し短い1800、2000だろう。今後、中内田厩舎がマイルか中距離か、どっちに振ってくるかに注目したい。5着ランスオブクイーンは未勝利勝ち上がりからぶっつけで掲示板は単純に立派。タガノエルピーダくらいの位置で運んでいて決して楽ではなかったし、持ち味を十分発揮したと言っていいだろう。前走は加速ラップで押し切り、内容がとても良かったがここまでやれるとは。父タリスマニックはどちらかというと内回り向きの機動力を持っている血統で、そこにパーソロンやマンハッタンカフェだから中長距離的な適性に機動力という印象。今回の内容に関係なく未勝利戦を評価して自己条件ではすぐに買っていこうと思っていたのだが、今回の結果で人気しそうですね。2000や内回りの競馬なら1勝Cですぐに目途が立つだろう。6着スウィープフィートは輸送で馬体重が減らなかったしパドックも一人引きで輸送は失敗しなかったようだ。テンションも許容範囲だったのでは。レースでは最後方でじっくり運ぶスタイルでこれまでと同様の競馬だったが、直線の伸びはジリっとしたものに。強いて言えば最後方からチェルヴィニアに並ぶ位置まで4角で押し上げたのでその辺で脚を使った影響があった可能性はあるだろうが、仮にそうだったとしても微々たる影響だっただろう。距離は2000ぐらいの方がいいだろうが同世代なら2400でも誤魔化せるかなと思うし、この敗戦は現状での力差ではと個人的には見ている。GⅢとかなら力関係の見直しは出来るだろうが、秋もGⅠに挑むとなるともう少し成長が欲しい。8着エセルフリーダスタートのバランスが悪かったこともあり後ろでジッとして直線だけの競馬だったが、現状ではアクションの差を見せつけられた格好。ただ配合としてはキタサンブラック×スウェプトのニックスで母父ハービンジャーとの組み合わせも2頭デビューしてどちらも勝ち上がりという優秀な成績。重賞級になるかはわからないが、自己条件は十分勝ち上がれる素質を持っていると思うし、この先の楽しみはある馬。今後に期待。10着ホーエリートは持ち味を発揮するために流れを承知の上で早めに行った感じだが、流石に苦しくなってしまった。現状速い脚がなく時計の決着では分が悪いので理想は前で受けて踏ん張る競馬だが、テンに速くないのでその辺が課題。ただこれから梅雨の時期で緩んだ馬場になってくると味方に出来る血統だし、持っている能力自体は重賞で見劣るようなものではないので、ハマる条件が来たらしっかりケアしてあげたい1頭。13着サフィラはプラス16㌔で馬体を戻してきたが、成長という点では一息かなという印象のパドック。まだ緩いしステイヤーのような燃費体質の体型に見える。晩成だと思うので完成はもっと先だろうが、サリエラのようにステイヤー路線を目指すのも悪くないのでは。15着パレハは鞍上が1角で早々にやめてしまって競馬の形になっていない。個人的にはもっと走って欲しい血統だと思っていて、ここで今後に繋がるような経験を得られなかったのは残念だが、自己条件に戻って改めて構想を期待したい。16着タガノエルピーダはペース的には前走と似たような形ではあったがちょっと折り合いが良くなくて上手く脚が溜まっていなかった。仕込みがあった展開だったと思うのでここまで走れないのはちょっと不満が残るが、輸送の競馬か左回りか。こんなものではない。最後にシンガリになったヴィントシュティレ。これにはもうレースを壊すような競馬をして次に繋がるような運び方でもなかったし、ちょっと文句しかない。前述の通り位置ありきの競馬で可能性を探る形を選ばなかったのも不満だし、何がしたかったのかわからない。

 

そんなわけで遂にダービーです。早いですねえ。いつも頑張ってますけど特に頑張りたいですね。