◎ブローザホーン、成長を示す2着! 日曜の予想結果 | NAKAMEの中央競馬重賞予想

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日曜は東京競馬場へ。めちゃくちゃ暑かった。普段はアイスクリーム食べる程度しかスイーツは食べないけど、今日はかき氷もいただきました。すんごい冷たかったです。知覚過敏ではないけど食べるのが大変だった。冷えたし馬券はもっと冷えて夏どころか冬に戻りましたね。明日は暖かいココアでも飲みましょう。

 

 

さて日曜に行われた重賞は天皇賞春。早速振り返ってみよう。

 

 

勝ったのは1番人気のテーオーロイヤル。逃げる馬がいないという中でマテンロウレオが先手を奪い、テーオーロイヤルはドゥレッツァを見ながらの4番手辺り。マテンロウレオの逃げという事は横山典弘の逃げ。入りから抑え込むのではなく、むしろ入りは気分良く行かせてゴール版辺りからドロンとペースを落とすという老獪な逃げ。見ていてとても面白く楽しい逃げ。トラッキングデータのリアルタイム提供でスピードメーターも付いているが、これを見てもらうとよりスピードの変化を感じられて走行状況を想像しやすいので是非多くの人にその辺も見てもらいたい。今回で言うと1周目直線では64㌔まで上がったスピードが1コーナーを曲がる時点では58㌔まで落ちていて、ラップにすると12.8-11.7-12.1-11.5-11.6の59秒7、そこから11.5-12.2-12.9-12.8-12.6-12.5の74秒5。しっかりとペースが落ちている。こういった速い→遅いという波で変化していくレースは適性が短いところにある馬ほど折り合い=脚を溜める事が難しい。適距離が短い馬ほどトップスピードに持っていく筋力を付けているし前向きな気性で、一度入ったギアを戻す労力が大きくなるからだ。その点パドックではブローザホーン、サリエラ以上にステイヤーっぽく見えたテーオーロイヤルとしてはこういったペースは寧ろ好物というか適した好走レンジ。この辺は前を行くドゥレッツァといい対比になっていたし、ペースに適応し上手く脚を溜めていた。4角も実にスムーズに坂を下ってきて手応えも抜群。時計は思ったほど伸びなかったがステイヤーとしての力差は明確で、文句なしの戴冠だろう。レースのラスト5Fが12.8-11.9-11.7-11.6-12.0の60秒ジャスト。前受けして脚があって後続を抑えたのだから時計は伸びなかったとは言いつつも内容はいいと思うし、懸念材料だった京都の下り坂も上手だった。3着ディープボンドもこの馬も、充実期に差し掛かった時のライバルがタイトルホルダーで、タフな競馬は経験していた。それを思えば今回はそんなに苦しくなかっただろうし、結局のところ経験は必要ですね。昨今のステイヤー種牡馬の不人気ぶりを見るとこの馬が種牡馬入りするにはもう一つタイトルが欲しいかなと感じるが、血統としてはやはりリオンディーズに非ノーザンダンサーの母方というのが目に付く。そこにクリスエスなのでエピファネイア風味にもなっていて、だからこそ下り坂も上手だったはず。今の時代、非ノーザンダンサーの繁殖を探すのは容易ではないが、方向性はそっちだよというのを示すきっかけになってくれればと思う。またマイラー×中長距離の母父という形もベター。いい馬です。そして何より、一時期の不振から復活させた陣営にも拍手を送りたい。

 

本命のブローザホーンは2着。スタート自体は悪くなかったし鞍上も促してある程度の位置は取ろうとしていたが、二の足が付かなかったか他馬が速かったかで位置が取れず、道中は中団やや後方の12,3番手辺り。この馬もれっきとしたステイヤーだと思うし京都はテーオーロイヤルより得意にしていると思っているが、ラストの上がりという部分ではテーオーロイヤルの方が上だし、この位置ではちょっと勝ち負けまではきついか…という思いでレースを見ていた。ただレースの流れは前述の通り速い→遅いという波になりステイヤー向きの展開となった。これはとても良かったと思うし折り合いに関しても大丈夫。というか前走が遅すぎただけなような気もしないでもない。4角から直線を向くところでは前駆良くスーッと勢いづいて素晴らしい脚を使ったが2着まで。もう少し全体を通して流れ続けるペースだと差は詰まっただろうが、前にテーオーロイヤルがいる時点で勝算は中々なかったと思うし、行けない中で手を尽くして出し切った2着だと思うから頑張ったことを褒めてあげたい。この競馬だと善戦マン止まりになってしまいそうだが、レース後コメントでもう少し位置が欲しかったというのを見て慢心、満足していないようで安心した。馬は確実に成長しているし馬場をこなしたのも大きい。秋の最大目標は有馬記念かなというところになりそうだけど、中距離馬の出力というところになるとやはり分が悪いので、今回の借りは来年にという事にしておきましょう。早枯れだなんだと言われたエピファネイア産駒からこれだけのステイヤーが5歳に完成期を迎えたというのは、種牡馬の価値を高める事にもなるのではないか。

 

3着ディープボンドは思ったほど絞れてこなくて、昨年よりは少し状態が落ちるのではないかと懸念していたのだが、走らせると昨年同様に綺麗に坂を下ってきて見せ場も作った。この馬もタイトルホルダーの激流に揉まれた馬で、経験値がペースへの耐久力になった面が大きいだろう。どういう馬が集まるかわからないが宝塚記念の2200も決して対応出来ない距離ではないし、今年は京都外回りの2200で最終週。遂にGⅠを掴む時が来るか。4着スマートファントムは終始インに拘った事も功を奏してインからスルスルと伸びてきた。入りのペースに付き合わなかったことが好走の最大要因だろうが、血統からはハービン×ディープに母がプリンスリーギフト持ちなので京都は最も合っているコースのはずで、適性にレースの流れがドラとして乗ったというところか。それでも4着というところがハービンジャーっぽいが、ゆくゆくは京都外回りのOPで楽しみがありそう。これからもっと良くなってくるだろうが、現状では展開頼み。5着ワープスピードも枠を利して内から立ち回った。重賞好走から返す刀でGⅠで掲示板だから今が一番充実しているのだろう。京都適性が高いのは言うまでもないが、底力という点でちょっと物足りなさを感じる血統、というか母方で、それが良くも悪くも5着という結果なのかなと。ただ3000M級に挑戦して今回のようなメリハリのある、オンオフをはっきりさせる競馬は初体験だったし、この経験は次以降に繋がるはず。7着タスティエーラはパドックの煩さが今回は戻っていて、状態は前走よりも良かったように思う。レースとしては菊花賞を踏襲した感じに見えて、まあ当時と乗ってる人が同じだしそういうイメージで乗ろうという意図はあっただろう。ただ勝負所ではグッとくるというか伸びそうな雰囲気がないままで、バテてはいないが速い脚を使えていないという感じ。そもそもダービーは好位押し切りでの制覇で、本来溜めて弾けるタイプではない。今回の結果や過去の好走を踏まえると位置を取って踏ん張りあうような競馬の方が良さそうだし、現状では好走レンジの範囲が狭いという見方も。9着ゴールドプリンセスは前がチャックネイト(14着)、外がシルヴァーソニック(16着)と人気薄に囲まれ進路を作るのが難しい隊列に収まってしまった。直線でもサリエラをパスするところから始まったし、今回に関してはかなりロスの多い競馬で鞍上の経験不足も出たかなという負け方。父ゴールドアクターは大の京都得意、と呼べる血統ではないが、母がキングヘイロー×カーリアンなので京都適性はこちらから受け継いだ。まだ4歳でこれから成長できるはずで、今回のペースを経験に成長していければ。3番人気サリエラは12着。パドックで見た出来はそんなに悪くないかなと思ったし、小柄だがマイナス8㌔は決して悪かったとは思わない。課題のスタートを決めて、後はどうやって外に出すかだったが、うまーーーく前後の隊列の切れ目に収まって外を確保。流石武豊という面を見せつけてきた。こうなるとあとはラストにどれだけ頑張れるかになってくるわけだが、見せ場もないまま4角を曲がり終える頃には脱落してしまった。解せない負けとなってしまったが、遅い→速いというペースは経験していても速い→遅いというレースは経験がなかったはずで、そこの耐性の差もあったのかなと思う。サロミナの牝系だから乗り方としては完璧。ステイヤーなのは間違いないはずなので、この路線を恐れずに歩んでほしい。いづれ上位を狙える時が来るかもしれない。並んで1番人気だったドゥレッツァは15着。レース後に熱中症のような症状という事が発表されたので、着順、着差からしてもパフォーマンスに大きな影響を与えたのは間違いないだろう。パドックでは少しスッキリし過ぎているかなと思うくらい絞ってきていて、この距離に対応するために手を尽くした陣営の努力が垣間見えた。ただ言い換えれば本来ベストではないところに合わせるためにインチダウンというか無理やり作ったとも言えるわけで、格闘技をするのに無理な減量をしてドクターストップがかかるとかがあるけども、今回の熱中症はそういった類の症例かもしれない。レースの質としても中距離志向が強いと折り合いづらいペースだっただけに、最初から位置を取ったこの馬としては苦しく、仮に熱中症にならずに走り切ったとしても、走りやすい展開でなかったのは事実。陣営も根っからのステイヤーではないと泣きが入っていたし、今後は中距離にシフトしていきそう。立て直して改めて活躍を期待したい。

 

連休じゃなければこんなハードスケジュール、やろうと思わないね。ゆっくり寝てまた来週の競馬も頑張ります。