理不尽 | ★★片想い10年ロック★★

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ハッピー片想いは片想いをたしなむための作法です。

 

フィクションです。

 

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幼稚園の年少

担任だったN先生は

 

3歳だった私に

はじめての理不尽を

教えてくれた人。

 

今でも感謝しています。

 

あのときギリギリ

物心つくかつかないか

微妙な時期の私は

 

N先生からちゃんと

大切なことを学びました。

 

大人だからと言って

正しいことを

言うとは限らない。

 

先生だからと言って

公正で公平な判断が

できるわけではない。

 

自分にとって

良くないこと

だけではなく

 

自分にとっては

良いことのように

思えたことでも

 

後々それは

大人として

先生として

 

どうだろうかと考える

きっかけをもらいました。

 

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あの日

私は言い訳をしなかった。

 

悔しくてたまらなくて

ひとりで泣いたけれど

 

本当はあの子が

悪かったなんて

言わなかった。

 

それを言うと

本当は自分が悪いと

知っているのに

 

黙っているあの子と

同じになってしまう

そんな気がしたから。

 

それを言っても

もしも先生が

わかってくれなかったら

 

いよいよ私はあなたを

先生だとは思えなくなる

そんな気がしたから。

 

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そして大人になって

久しぶりにお会いしたとき

 

あなたはちゃんと

「でしょうね」な仕上がりの

おばさんになってました。

 

あのころの私に

ストレートな理不尽を

教えてくれたこと

 

感謝しています。

 

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フィクションです。