福岡・久留米のぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用と労務管理の町医者 吉野正人です。
5月11日土曜日。今日は、パワハラに関する気になる記事がありました。
※毎日新聞より引用
「閉鎖的、逃げ場なく」薬局で「パワハラ自殺」遺族提訴へ 大阪
毎日新聞2019年4月20日 07時30分(最終更新 4月20日 07時30分)
大阪府吹田市の薬局に勤めていた女性が2016年に自殺したのは、社長や上司らによるパワーハラスメントが原因だとして、遺族が月内にも、運営会社や社長らに計約8800万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こす。中小企業では、ハラスメントの相談窓口の設置や問題への対応が遅れていると指摘されており、遺族側は「閉鎖的な空間でパワハラが横行し、精神的に追い詰められた」と訴えている。
女性は同市の津島美希さん(当時30歳)。訴状などによると、14年10月から正社員として調剤薬局で勤務し、処方箋の入力などを担当していた。
翌年3月からは社員旅行の幹事も担当。旅行について社長に相談すると、「今忙しい。そんなことも分からないのか」などと叱責された。他の幹事2人が退職したため、ほぼ1人で準備を進め、帰宅が午前0時を過ぎることもあった。
「仕事のことを考えると緊張し、寝付けない」と家族に漏らすようになり、8月にうつ病と診断された。会社側と休職について話し合う予定だった16年1月4日、出勤前に命を絶った。
遺族側は、長時間労働を強いる▽ささいなミスについて長時間、叱責する▽手を払いのけたり突き飛ばしたりする――などのパワハラを社長や複数の上司が繰り返し、うつ病を発症して自殺に至ったと主張している。
遺族は16年11月、茨木労働基準監督署に労災を申請。労基署は「攻撃的な上司の言動に憔悴(しょうすい)していた」などと認定したが、心理的負担は強くなかったとして労災と認めなかった。遺族は再審査を請求している。
一方、16年度の厚生労働省の調査では、中小企業(従業員99人以下)の半数以上はパワハラの相談窓口がなく、会社が問題を把握していないケースが多いとされる。遺族側代理人の上出恭子弁護士は「小さな会社で逃げ場がなく、社内で相談できなかったことが背景にある」と指摘する。
会社の代理人は「業務に起因して自殺したとは認識しておらず、訴訟については把握していない」と話した。
「息するのもしんどい」
「息をするのもしんどい。上司が怖い」。津島美希さんは亡くなる前、母朋子さん(59)に漏らしていた。
美希さんは入社した2カ月ほど後には「うちの薬局、ブラックやで。次々に人が辞めていく」と訴えていた。明るい性格で友人も多かったが、休日は部屋にこもるように。食欲も落ち、体重は7キロも減ったという。
亡くなる前日から沈んだ様子で「うち、(仕事が)できんかった」と泣き出した美希さん。朋子さんは「会社と合わなかっただけ」と慰めたが、翌朝、自室で冷たくなった愛娘を見つけた。
「無理やりでも休ませればよかった」。母一人、子一人で生きてきた。娘の身に何が起きたか知りたいと、勤務先の元従業員の証言を集めた。上司らがパワハラを繰り返し、同僚が何人も退職していたことが分かった。
絵を修復する仕事に就くのが夢だった美希さん。大学で美術を学び、アルバイトで資金をためてイタリア留学も果たした。最後まで「仕事ができない自分が悪い」と自らを責めていたという。
「美希は自分のすべてだった。会社はパワハラを認め、謝罪してほしい」。朋子さんは遺影を見つめて涙を拭った。【戸上文恵】
※引用終わり。
今回の記事を読むと、中小企業において似たようなパワハラ事例が多く発生していると思います。今回の記事は氷山の一角であり、会社として対応を怠った結果、従業員がうつ病→追い詰められて自殺と言う最悪の事例だと思います。
個人的には、過去労働基準監督署及び本業の社労士実務の経験で、今回の調剤薬局等医療業界におけるパワハラは、他の業界より多く発生しているように思えます。そして私を含む社会保険労務士が相談対応してなかったのでは?と推測します。
パワハラに関しては、初期対応・早期対応が大切です。そして今回は、社長自身もパワハラをしていたと思われる記述もあり、社長・管理職等加害者がパワハラをしている認識が無かったと思われます。
パワハラに関しては、中小企業として、初期対応・早期解決・教育が必要だと思います。今回の記事は、「やっちゃいけない」事例の典型であり、反面教師になると思います。
パワハラか否か?は、実質、被害者の受け止め方・主観で決まっていると私は思います。その為、加害者の方は、教育・指導でありパワハラではないとの認識が多いのが実態だと思います。
今後中小企業においては、私を含む社会保険労務士を活用して「社外相談窓口」の設置をお勧めします。そして加害者側・被害者側・他の従業員である第三者の証言を冷静かつ客観的に聴き、すみやかに和解・配置転換・懲戒処分等を行うことをお勧めします。
また経営者・管理職・従業員それぞれに分けて、パワハラに関する教育が今後は必要だと思います。当事務所でも、パワハラ教育を行った実績もあり、対応していますので、ご相談いただければ幸いです。
(労務管理セミナー案内)
5月24日金曜日 久留米にて自主開催・労務管理セミナー「第29回 パワハラ防止・解決対応と実践「働き方改革関連法」対応セミナー」を行います。詳細は、下記リンク参照の上、参加願います。
※第29回 パワハラ防止・解決対応と実践「働き方改革関連法」対応セミナー案内
※写真は熊本駅にて、熊本のゆるキャラ・くまモンです。
以上、福岡・久留米のぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用・労務管理・労働トラブル対応の町医者 吉野でした。
※お問い合わせや相談したい時は、いつでも下記へ連絡願います。 福岡 久留米 採用と労務管理、労働トラブル対応の町医者 社会保険労務士 吉野正人 移動オフィス 090-2852-9529 (すぐつながります。)
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ただし労働者側の相談も可能ですが、当事務所は会社側の相談が得意ですので、ご了承願います。 なお労働者の相談は、下記リンクの社会保険労務士をオススメします。


