【社労士天声凡語】YouTubeで考えさせられる年金制度
こんにちは。今月15日は2か月に1度の年金支給日です。銀行が混み合うということで、この日を避けて銀行の用事を済ませておきました。最新の「国民生活基礎調査」によると、年金に全てを頼っている高齢者は43.4%となっています。逆に言えば残りの約6割は何らかの年金以外の収入を得ているのですが、年金収入が総所得の6割以上を占める高齢者の割合は75%となっており、年金頼みの生活になっている実態が見えてきます。この調査によると、国民年金受給者の平均は57,584円、厚生年金受給者は国民年金を含めて146,429円となっており、この数字だけ見ると、年金だけでは思うような生活ができないことが分かります。年金支給日に銀行に走りたくなる気持ちはよく理解できます。そんな年金受給者の生の声を伝えてくれているのが、YouTubeの年金チャンネルです。以前少し見ていた時期があったのですが、久しぶりに見てみると、同じようなチャンネルが随分と増えたような気がします。視聴者の関心が高まっている証しでしょうか。その内容は至ってシンプルで、街角にいる年金受給者に声をかけて、インタビューに応じてもらい、年金受給の状況や従事してきた仕事や生活、そして今の暮らしぶりなどを淡々と聞いていくものです。凄いと思うのは、もらっている年金額をズバリ聞き出す手法です。普通なら隠しておきたいと思うのですが、聞き手は躊躇なく尋ね、聞かれた高齢者もあっさりと答えてくれています。どうして年金額が少ないのか、今どのようにやりくりしているのか、赤裸々な叫びの声を聞いていると、その人の人生そのものを見せてもらっているような気がしてきます。そんな様子を見ながら、この人たちにとって年金制度って何なのだろうと考えさせられています。今回もお付き合いいただきありがとうございました。次回の更新でお会いできたら嬉しいです。