2021年9月下旬
そして、希望のもてる治療法を試す前に、抗がん剤に体が耐えきれず亡くなった。
父は、母が亡くなる少し前に、担当医がぽそっと、
「ここに来る前に、出来たことが色々あったと思いますけどね」と呟いたのが忘れられないと言っていた。
聞いた当時は、今更そんなこと言う!?と父は思ったそうだが、
たしかに、初めから母は頑なに入院治療するといって聞かなかったのも事実だった。
そこでもう一つ、私が父に早く話をしたかったことを伝えた。
それは、実家にあるコウケントーの光線治療器を貸して欲しい、ということだった。
光線治療器は免疫力を高める効果のある機器で、
実家では私の祖母の代から愛用している。
何か不調があると「光線しときなー」と言われるくらい、実家では「万能」扱いだった。
私自身も、痔ができたときに効果をとっても実感してる。
痔には効くぞー
実際、父もがんの術後に毎日毎日自宅で光線を当て続けていた。
術後の化学療法や放射線治療をすることもなく、
5年以上経った今も転移も再発もないのは光線のおかげだと、父はことあるごとに言っていた。
だから、私も光線は毎日やりたいと思うのだけど、と申し出たら、
父は、得たり!という様子で、
「うん、うん、ぜひそうして!」
「妙子が言い出さなかったら、お父さんから光線だけはやってと、お願いしようと思ってた」
「ああ、よかった、これで安心だ」
「光線さえしてくれれば、お父さん何も言わない」
と、まるでもう治ったかのような言いぶりで。
まあ、父の、光線に対する信頼が絶大だということはよく分かりました。
ということで、父との話はスムーズにできました。
光線さまのお陰と、あと父の謎リサーチのおかげ。
身内から反対されるのって、辛いからね。私はラッキーだった。
あとは、最大の難関である夫と。
理性的なんだか感情的なんだかわからん突っ込みを入れてきた姉と。
いろいろ、ある。