2021年9月下旬
確定診断直後
姉はアカデミックな世界の住人なので、
スピリチュアルな言動をする私を、生暖かい目で見ている。
※アカデミックとスピリチュアルは対義語ではないです。
がんの治療法について姉と話したときに、
姉が言うには、
乳がんについて調べたら、標準治療での5年生存率が95%を超えてるのだから、
私だったらさっさと手術なり抗がん剤なりするね、とのこと。
※数字はうろ覚えです、ごめんなさい、とりあえず100%近いという話。
対して私が、
がんが悪いのではなく、がんができるような生活を選んできた私が悪いので、
対症療法ではなく、人生を変えることで治すのだ、と言い、
姉は、ふうん、分からなくもないけど、と
理解をしようとはしているけど明らかに納得していない返事をする。
私ががんになって、泣くほど心配してくれた姉である。
私の意志を尊重してくれようとしていたし、理解もしてくれようとしていたけど、
やっぱり心配で気が気でなかったのだと思う。
あるとき、姉からメールが来て、
研究者仲間に医療系の最前線にいる人がいて、
私に化学療法について意見を述べたいと言っているから話を聞いてみないか、という打診があった。
うへぇ、と思った。
これは、ただ話を聞くだけじゃ済まなくて、絶対に説得しにかかってくるやつだ、と思った。
だから、邪険に断った。
かなり良くない態度だったのは自覚している。
姉からの返信はこうだった。
「もう二度とあなたとは連絡とらない。」
!?
絶縁宣言キターーーーー
こんなタイミングでですか。そうですか。
こちらも無視しようかと思ったけど、
頭にきたのでこう返信した。
「あ、そう。頼まれてもいないのに勝手に上からものを言ってきて何なんだ。」
そしてスマホぶん投げて、レイキでセルフヒーリングして寝た。
で、朝起きたら姉からメールが入っていた。
なんだよ、連絡とらないんじゃなかったのかよ、と思いつつ開くと、一言、
「ごめんなさい。」
お姉たんの情緒、、、
さすがに心配になって、父のところへ寄って、お姉ちゃん最近どうかしたの?と聞いてみた。
父がどうもしてないけど、なんで?と言うので、前日のやりとりを話すと、
父は驚いていたけど、でもとにかく姉は私を心配しているということだった。
姉は孫を父に会わせるために、頻繁に父とはテレビ電話をしているのだが、
そのたびに、妙子はどうだ、妙子はどうしてる、と聞いてくるのだそうだ。
私に直接きくのは負担になるだろうからと、父に聞くのだそうだ。
そのことを聞いて、私も反省した。
姉には私のこと(治療方針など)を理解させようとしていたのに、
私は姉の心配する気持ちを理解せず、はねつけたのだから。
とはいえね、病人に向かっていきなり絶縁宣言はやっぱりどうかと思うけどね。
姉から絶縁メールが来たときは、
ああ、こうやって、治療方針の違いで家族が対立したり、
離婚したりとかって、実際に起こるんだなぁって、さすがに私もショックだった。
これも乗り越えなきゃいかんのか…って。
その後は、姉と父のテレビ電話に、なんとなく私が映り込んだりして、
なんとなくしゃべったりして、なあなあにして元に戻りました。
心配地獄から抜けた感じ。
大切だから心配する、のは分かる。
でも「心配」の暴走も考えものよねー。
なんて、ひとごとみたいに聞こえるかしら。
心配モンスターのラスボスは、もちろん夫。