三十四 赤倉温泉駅 ― 尾花沢  6月29日 24km | 杏下庵

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本日はおくのほそ道中の最難関の一つである山刀伐峠越えである。梅雨の中休みで晴天の歩行となった。関東以南では集中豪雨のニュースも聞かれる。赤倉温泉駅から歩き出しゆるい峠を越えると街道は赤倉温泉の温泉街を通る。この先国道は、しだいに高度を上げていく。トンネルの手前で国道、旧道(県道)と登山道が分かれる。国道は最短のトンネルに消えてゆく。県道はトンネルに入らないものの、傾斜をゆるくするため大回りしている。江戸時代の峠越えはいきなり山に取り付く。駐車場には車がないので今日もほとんど人に会うことはないだろう。ここから、いよいよ登山道に入る。標高差にして百メートルなので、軽いハイキングだ。時折、舗装された旧道と交差する。一帯は橅林であり、熊が喜びそうだが、この辺りの熊は警戒心が強いのか遠くに見ることがあっても被害はほとんどないそうである。二十分ほどで峠に到着。頂上には顕彰碑や東屋などがある。地元の三人連れが休んでいた。管理人のようだ。順調である。下りはほとんど急な傾斜はなく歩きやすい。ほぼ一時間で山刀伐峠のハイキングコースを踏破した。ここから暑さの中の国道歩きが始まる。タオルを首に巻きつけて水分と塩分を取りながら歩く。国道から外れたところに関谷番所跡などもある。押切橋を渡る時に月山が姿を見せる。山刀伐峠では、幸いにも熊にも山賊にも会うことがなく、月山も見られたことで、幸先のいい出羽路のはじまりである。尾花沢から新幹線の大和田駅までバスの本数が少ないため、ゆっくりと食事を取る時間がない。市街地に入り、コンビニでパンを買ってバス停の待ち時間で食べることになって、清風記念館と養泉寺は外から見るだけにして次回のためにとっておく。