『木霊の声に誘われて』出版しました | 杏下庵

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このたび、50年間の山とのつきあいを、白根旅棲のペンネームで『木霊の声に誘われて』として上梓させていただきました。もし、ご購入いただける方、アマゾンのみ購入可能です。以下、序文の抜粋です。
日本の山々の奥深くには、太古の昔から神秘的な精霊たちが住んでいる。森の中で、風もないのにカサカサと木々がささやき、誰か後ろから追いかけてくる気配を感じ、話しかけるような鳥たちの囀りも聞こえる。これらは山の精霊たちの誘いである。木霊たちは岩や花、動物、小鳥、風、雲、嵐、御来迎、日の出、日没など様々な姿で現れる。近代化の中で忘れていた、木霊の声を聴くことできるであろうか。遠い昔の物語を語りかけてくれるだろうか。自然との語らいを取り戻すことができるのだろうか。「さすらい人」としての岳人が、どうすれば木霊の声に耳を傾けることができるのか。その答えは定かでない。近代化の中で森を破壊し、山肌を削り取り、道路や鉄道建設で山深くまで開発し尽くそうとしてきた。このような自然に対する人間の仕打ちに反感を感じるならば、木霊の声を聴こうとする心を持つことは、山に対する謙虚な態度の始まりかもしれない。近代的な産業社会の中で過ごしてきた会社員生活を引退した今、木霊の声に誘われて、もう一度山と向き合い、若いころから書き留めたエッセイや小説に筆をいれ、小冊子にまとめてみたものである。