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代表弁護士 浅野了一
終局の判決言渡しまで離婚訴訟事件を経験した弁護士は、
本当にごく僅かです。
名古屋家庭裁判所管内(愛知県全県)で平成24年に終局した離婚調停など婚姻関係調停4084件で弁護士が就いていたのは、そのうちの45%にあたる1822件です。
一方で、愛知県弁護士会所属の弁護士は1537人(平成24年11月1日現在)です。
単純計算すると、弁護士一人が扱う婚姻関係調停の件数は、1年間にわずか1~2件に過ぎません。 したがって、弁護士の多くが家庭裁判所における離婚調停事件の経験がわずかだと推測されます。
ましてや、離婚調停の約6分の1の件数 しかない離婚訴訟に至っては、「経験がない」もしくは「ほとんど経験がない」弁護士が大半なのです。さらに、追求すれば、離婚訴訟の解決として、和解ではなく、終局の判決言渡しまで離婚訴訟事件を経験した弁護士は、本当にごく僅かです。
ご相談される弁護士に、このように尋ねてみる事で、離婚分野の経験が豊富な弁護士であるか見極められるでしょう。
『先生は、離婚訴訟の経験がありますか?』
『先生は、離婚訴訟で、判決までいったことはありますか?』
私が、訴訟に、それも判決言渡しまでの経験にこだわるのは、協議から調停そして訴訟まで、離婚事件を立体的に経験したことがあるか否かが、事件の見通しと戦略の構築の能力に大きな影響を与えるからです。
物事を平面でしかとらえることができないか、立体的にとらえることができるかの違いは、とても大きいのです。
たとえば、医師が膵臓の疾患の治療を考えるにあたり、とりわけ困難といわれている膵臓の手術の経験がある医師が考えるのと、学理上の知識しかない医師が考えるのとでは、大きく違うのと同様です。
弁護士は自ら選ぶ時代です
前回のブログでもご紹介したように、弁護士会の法律相談事業は、名古屋だけでなく全国的に不振となっています。特に大都市部では顕著です。
愛知県弁護士会の中で最大規模となる名古屋法律相談センターにおいて、平成24年の離婚相談件数は951件でした。 また、2013年11月28日現在で、名古屋法律相談センターに離婚相談の相談員として登録している弁護士数は574名です。
先ほどと同様に、弁護士の数で割ってみると、同センターにおける1年間の離婚相談件数は、平均で登録弁護士1人当たりわずか2件弱足らずということです。
このような背景には、市民の弁護士などを選ぶ権利を阻害していた弁護士会など士業の事業者団体による広告禁止の規制が廃止され、2000年(平成12年)10月から、『原則自由、例外禁止』になったことが要因です。
弁護士会など士業の事業者団体による広告禁止の規制が、『需要者の正しい選択に資する情報の提供に制限を加えるような自主規制等を行うことは、独占禁止法上問題となるおそれがある。』として、独占禁止法違反の問題が議論されて、自由化されるに至りました。
(資格者団体の活動に関する独占禁止法上の考え方 平成13年10月24日 公正取引委員会事務局 改正:平成22年1月1日)
市民が弁護士など士業を選ぶ権利を阻害していた事業者団体のギルド的規制が、市民の力により打破されたのです。
こうして市民の皆さまが弁護士を選ぶ権利を行使することができるようになったことから、本当に弁護士の受任を必要としている方は、金融機関・取引先などの人の紹介や、弁護士会の相談事業・弁護士紹介ではなく、ご自身で、ネットなどを介し弁護士の情報を入手し、自分のニーズに合った弁護士を探して相談したり依頼したりすることができるようになったのです。
このような市民の行動は、憲法で保障されていた本来あるべき姿であり合理的で賢い選択です。
本当に弁護士を必要とする人は、質の担保されない弁護士会の法律相談ではなく、情報を収集した上で直接法律事務所に赴くことになります。
そのような市民の傾向は止めようがありません。
ちなみに、弁護士会の法律相談は、『弁護士なら誰でも』登録できます。経験も研修も原則不要です。それは、会員の平等原則に反するためです。(最近は一部研修がされるようになりましたが、年1回程度2、3時間の研修です。)
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