2015年9月13日、この12月に入所予定の司法修習生2名と私を含めて弊事務所の弁護士3名、事務スタッフ2名で三河湾の日間賀島に行ってきました。
司法修習生と今年これで3回日帰り旅行をしましたが、このような積み重ねが、司法修習生ばかりか弁護士、事務スタッフなど事務所メンバー(構成員)のキャリアデザインを考える契機となりました。
そのなかでも、司法修習生、新人弁護士、若手弁護士は、事務所の経済を支える『頑張り(売上げ)が皆から求められる人』です。
その『頑張り(売上げ)が皆から求められる人』のキャリアデザインを考えることは、大変重要なことです。
2015年9月13日、名鉄名古屋駅に集合して、名鉄電車で河和駅へ、河和駅から歩いて河和港へ、河和港からは、名鉄海上観光船の高速定期船で日間賀島西港へ行きました。
昼食を民宿でとる名鉄海上観光船株式会社の『高速船で行く島めぐり旅ー島の膳グルメ特選パック』でした。
食事後は島を半周歩いて、日間賀島西港に戻り、行きの旅程と同じように名古屋駅に戻り解散しました。
愛知県民でもなかなか日間賀島に行くことはありません。
内定司法修習生2名に、愛知県にも海があり、日間賀島、篠島、佐久島のような島や自然があり、観光や海水浴ができることを知ってほしかったのです。
高速船で三河湾の景色を見るのも楽しいものです。
当日は台風の季節であることが心配でしたが、過去五十数年の天気を調べて、この日にしました。
司法修習生2名は、千葉県と静岡県の出身です。
いずれも愛知・名古屋の生まれでも育ちでもなく、大学・法科大学院もいずれも東京で、愛知・名古屋に全く縁のない方です。
しかも、弊所は、東京三会(東京、東京第一、東京第二の各弁護士会)の合同説明会に参加するなど、会社説明会を主に東京で行い、全国区での公募により、司法試験合格者のなかでも、人柄・能力ともに優秀な方を選抜させていただいています。
弁護士法人名古屋総合法律事務所のミッション・理念・長期経営計画に共感して、ベクトルを同じくして、ともに成長する志で弊所に入所されるものです。
弊所は、2010年12月から、弁護士も事務スタッフも対等でチームで業務をおこなう方針をとりました。
したがって、事務所内で弁護士を先生と呼ばない、弁護士にお茶出しをしない、弁護士も事務スタッフも同じ椅子・机を使うという方針を取りました。
弊所には、弁護士より優秀な事務スタッフや技術スタッフなどが毎年増えているのです。
現在、弊所は、弁護士を先生と呼ばないなど、閉鎖的な愛知・名古屋では、特異な法律事務所と見られているかもしれません。
また、弁護士業はサービス業であって武士業(いまなら警察官です)ではないと、したがって、相談者・依頼者が相談料を支払って怒られに行くような相談をしてはならないと、むしろ、お客様の時間と費用を大事にして、1回で2回分の価値のある、『60分真剣勝負』での充実した相談を推奨しております。
私は、このように、愛知・名古屋では、特異な法律事務所となっている弊所に、この数年、毎年愛知・名古屋に縁のない方でありながら、司法修習生の中でも優秀な方が入所されて成長されていくのがとてもうれしいです。
一方、とても責任が重大であることも痛感します。
東京圏から見ると、名古屋という地方都市に就職することを希望する司法修習生は本当に少ないのです。
名古屋の弁護士は、私浅野のように名古屋生まれ名古屋育ちが主流です。
この濃尾平野から出たことがない、狭く閉鎖的に成長した人が多数います。
『人・物・サービス・情報』が自由に移動できるようになり、国境はずいぶん低くなりましたが、県境は、依然と制度として高い壁になっています。
『人・物・サービス・情報』は、移動の自由が進み、隣県にいくより海外に行くほうが容易な時代になりつつあります。
愛知・名古屋など東海地方では、司法修習生は紹介(コネ)で法律事務所に入所するのが一般です。
法律事務所の内状は外部からうかがい知れないところが多く、教育制度どころか社会保険・労働保険さえない前時代的な事務所が多く、運不運が大きいのが現実です。
このような閉鎖的な地域に、愛知・名古屋に全く縁のない方でしかも司法試験合格者のなかから全国から公募で選抜した優秀な方に対して、私がすべきことは、キャリアデザインをしっかり考え、制度化して確実に実行できる体制を整えて、入所した弁護士が優秀な一流の弁護士に育つこと、彼らが地域に、市民・中小企業に貢献するようになることです。
人材の育成と地域への貢献が、私の最小限のそして最大の責任と思っております。