かがり火の中で、煎茶を奉納。<一茶庵宗家> | なごみカルチャー

なごみカルチャー

永年培ってきた「伝統文化の知恵と工夫をいまの暮らしにー」をテーマにしてイベントやセミナー、講習会を行っています。その内容を楽しく伝えていくブログです。

昨日は、全日本煎茶道連盟の「月見の煎茶会」が京都・宇治の黄檗宗萬福寺で行われた。
昨日の煎茶会では、一茶庵宗家が8年ぶりに献茶式を務めた。
陽が暮れ本堂の前庭にはかがり火が焚かれ、幻想の献茶式を演出。秋の夜風の中、お坊さんたちの声明が境内に響く。

一茶庵宗家の佃梓央若宗匠のお手前が始まった。かがり火で灯す茶席が浮いているかのように見える。後ろに控えた佃一輝宗匠が、お供えのお菓子を本堂の入り口で僧侶に手渡す。続いて若宗匠が献茶。この古式ゆかしい儀式に境内は時が止まったかのよう。

月見の煎茶会は夕刻の献茶会を前に、午後2時半から各流派の煎茶披ろう席が始まった。一茶庵宗家は、献茶式副席として、「売茶翁没後二百五十年 池大雅生誕二百九十年」として池大雅の般若心経のお軸がかかる萬福寺有声軒広間で呈茶。そして小間に移り展覧本席。売茶翁のお軸など煎茶道具の逸品ものを解説し展覧していただいた。

今回もお手伝い役として慣れないながら一部始終を拝見した。古式ゆかしい儀式の裏に、日本人の世界に誇る技や工夫、そして伝統への強い執念が隠されているのに改めて驚嘆した次第である。

$なごみカルチャー
$なごみカルチャー
$なごみカルチャー

$なごみカルチャー