昔働いていたお店は移転し、大きさは3倍になり、ますますゴージャスになっていた。

知らない黒服も新しく入ってきているみたいだが、私がドリンクを頼むと…



ホステス用のグラスで持ってくる。

私が自分の店のホステスかそうじゃないのかさえ分からない黒服。


お席には顔なじみのホステスが着いてくれる。


「ナギタ、六本木はどうだったー?ちょっと変わった??」


という具合だ。


そんなこんなでお席で盛り上がり、林さんが

「一人でホテルに泊まるのは寂しい」

と言いだした。

大学院であまり昔の事を考えないようにして過ごした。

あっという間に7月になっていた。


ある日メールの着信音が鳴った。


発信元は「林さん」だ。


『ナギタちゃん、元気?今度○○(私の住んでいる街)に出張なんだよ。会えるかな?』


林さんとは、私が○○のクラブで働いていた時に飲みに来られた東京のお客様だ。

東京へ行ってからはブログに書いてないものの、銀座や赤坂へ連れて行ってもらったりお世話になった。

銀座や赤坂のクラブに私を売り込んでもくれた(私が自信が出ずに結局働くことはなかったけど)。


『林さん、お久しぶりです。東京ではお世話になりました。はい!是非○○でお会いしましょう!』


と私は返信した。


そして林さんは○○へいらっしゃり、私がアルバイトで勤めているクラブに同伴してくださった。

オープンラストでブランデーと焼酎を入れてくださった。


お店が終わり、

林さん「ナギタが昔働いていた店に飲みに行かない?」

と言われた。

私はそれに従った。

そう言うと黒服は私の頭を撫でてきた。

私は男の人に頭を撫でられるのが好きだ。

安心するパンダ


黒服はそのまま私を抱きしめて押し倒した。


私 「好きよ…」

黒服「嬉しいよ」


『好き』の大安売りだ。

ちょっと好意があるくらいで『好き』と言える自分。

自分の気持ちに逆らったある種の自傷行為。

こんな風にむちゃくちゃになっている最低な自分が好きだ。


そのまま黒服と2回したUFOUFO


黒服のはデカイという噂があったが、普通に感じた。

噂は嘘だったのか、それとも私がたまたま今までデカイ人ばかりに当たってきから黒服のを普通だと感じたのか…。


2時間くらい寝て、帰る準備をした。

黒服はずっと家にいて欲しいと言ってきたが今日は学校へ行かなければならない。

黒服は駅まで送ると言ってくれたが、一緒に朝の街を歩く気になれなかった。

一人で駅まで歩き、電車に乗って地下鉄そのまま学校へ向かった。


「おーナギタぁアップ

大学の研究室に着くと仲間が笑顔で迎えてくれる。

私 「おはよう」

仲間「来るの遅かったね。次図書館に文献探しに行こうよニコニコ

私 「…うん」

仲間「どうした?元気ないね?音譜

私 「大丈夫。ちょっとお手洗い行ってくるから待ってて!」

仲間「うんニコニコラブラブ


仲間のその笑顔に涙が出た。

私はどうして変われないんだろう。

暖かい仲間や教授がいる大学院というこんな素敵な場所を見つけたのに何故まだ男や酒を止められないんだろう。

ドクロ