1216)東西の もと大手私鉄車が余生を過ごす---意外と長い養老鉄道 | 千葉の鉄道、そして Now & Then

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の続きです。 

 

 東海道新幹線に乗っていると一瞬目にする、いくつかの地方私鉄や大手私鉄のローカルな区間およびJRのローカル線。

 JR相模線、伊豆箱根鉄道大雄山線、岳南鉄道、静岡鉄道、天竜浜名湖鉄道、豊橋鉄道・・・

 ほとんどは訪問したことがあるものの、「ここは訪れたことが無いな」というのが「養老鉄道」。あまり話題が無く地味な路線のように思えていました。

 

 1月に高山本線を訪問したあと、もう一日ゆっくりできるので、桑名へのアクセスとして初乗車してみては、という超絶プランを思いついてしまい、全線利用してみました。

 

 

 まずは美濃太田市内のレンタカー店から移動開始。

 呼んだタクシーで美濃太田駅に着いたとたんに、美濃太田18:30発の752D(多治見17:49→19:06岐阜)が発車してゆくのが見えました。う~ん30分後まで待たねばならない。適当なおみやげは無いかな?と周辺を偵察するも、駅売店は閉店済みでがっかり。

 

 2023.1.17 18:45ごろ

 長良川鉄道121レが東側から入線してきました。美濃太田19:04発の「湯の洞(ほら)温泉口」行になります。そんな駅ができていたなんて全く知らなかった。

 ナガラ形でしょうが ナンバーは外側からはわかりにくいです。チャギントンラッピングです。

 

 乗車した754D(多治見18:12発 美濃太田経由 岐阜行き)はキハ75形でした。これはありがたい!

 649D~754D 多治見18:12→18:47美濃太田19:01→19:33岐阜 

 蘇原に停車中のようす。3ドア転換クロスです。 

 キハ75-3406+キハ75-1205 キハ75-1305→岐阜方

 

 

 そもそも、美濃太田(美濃加茂市)でレンタカーを返却した者が、それから桑名に行こうと思えば、たいていは美濃太田(JR高山本線)→鵜沼~名鉄新鵜沼 (名鉄犬山線)→名鉄名古屋・近鉄名古屋→桑名、と行くのが普通でしょう。運賃はJR210円+名鉄620円+近鉄450円で計1280円。これが一番安い。しかし既乗車区間ばかりだし夕方の通勤ラッシュを考えると非常に気が重い。

 対抗馬として美濃太田→岐阜→名古屋をJR、名古屋→桑名 を近鉄とすればJR1170円+近鉄450円で計1620円。全線JRとすれば1520円。

 穴馬として、美濃太田→岐阜→大垣 をJRで770円、これに養老鉄道大垣~桑名830円を加えても1600円。あれ、ローカル私鉄使うのに意外と高くならない!

 

 では、県都岐阜~桑名ではどうか。JR岐阜~大垣が240円+養老鉄道830円で計1070円。対してJR岐阜~名古屋~桑名で990円。東海道線のラッシュやJR関西線が短編成ゆえに混雑する時間帯を考慮すると(時間に余裕があれば)養老鉄道でバイパスする方に軍配が上がると思うのだけれどみなさんはいかが?目的地が桑名以西 津・松坂・伊勢方面へ行く場合にも参考になるかもしれません(優等列車を使う場合を除く)

 

 もともと「大」近鉄の一部区間、近鉄養老線だった養老鉄道。大垣でスイッチバックして揖斐へ向かう路線はもと近鉄揖斐線かと勘違いしていましたが、大垣~揖斐間も含めて もと近鉄養老線でした。揖斐線というイメージがあったのは、名鉄揖斐線(忠節~黒野~本揖斐18.3Km)がかつて存在したからそれと混同していました。

 

 このあたり、名鉄揖斐線・谷汲線・もと近鉄の揖斐~大垣間の養老線、樽見鉄道、名鉄美濃町線・同各務原線などが入り乱れて存在していたローカル私鉄の密集地帯でした。ほとんどは訪れて乗車したことがあるものの、養老線大垣~桑名間は取り残されていました。この機会にやっと乗れる!!。

 

 

 東海道線を行くときに、あそこに未乗の路線があり、いつの日にか乗ってやるぞ、と指をくわえるように見ていました。その日がついに訪れたのです。

 でも、右側の揖斐方面は、1987~1990年ごろに何度か訪れていて 乗ったことがあるはず。名鉄 岐阜駅前・新岐阜(岐阜市内線)→忠節→黒野(谷汲線)→谷汲(谷汲線)→黒野(名鉄揖斐線)→名鉄本揖斐(徒歩連絡)近鉄揖斐(近鉄養老線)→大垣、と乗車したもので、左へ向かう路線が初乗車。

 右隅にJR東海道線の上り列車がちらりと写り込みました。

 

 2023.1.17 20:15発の養老行2061列車 

 元近鉄車の604+504(→桑名方)で、D04編成。4ドアロングシート。京急とのコラボ塗色です。

 もと近鉄車でも この色をこういうふうに塗ると、東京メトロ丸の内線かと思えてしまう。

 

編成表
系列 編成 車両 備考
600系 D01編成 601-551-501 大垣ケーブルテレビラッピング(運行期間2020年11月 - 2024年8月)
D02編成 602-552-502  
D03編成 603-503 廃車
D04編成 604-504 京急コラボ塗装
D05編成 605-505 廃車
D06編成 606-506 復刻ラビットカー塗装
620系、625系 D21編成 521-561-621 養老線第1編成目のヘッドライトLED化
D22編成 522-562-622 廃車
D23編成 523-563-623 廃車
D24編成 524-564-624 養老線第2編成目のヘッドライトLED化
D25編成 525-565-625 廃車
養老線唯一のラインデリア車

 

 京急色は この1本のみのようです。

 

 大垣20:07発の2061列車 大垣20:07→20:31揖斐着 

 7901+7701←大垣方 

 元東急車7700系で、細かいコルゲートが並んだ車体が今や懐かしいです。

 

 2061列車 揖斐行きが発車 

 もと近鉄車ばかりだった養老鉄道ですが、老朽車取り替えのため、2019年4月27日からはもと東急車7700系が移籍・導入されました。3連5本15両が在籍しているそうです。

 ちなみに、近鉄からの運行移管は2007年10月1日。新 養老鉄道の会社設立は2007年4月とのこと。 

 

 向こうにJRのホームが見えます。そこはかつて夜行大垣鈍行375M(のちにムーンライトながら)で朝に着いて、西明石行きや網干行き快速に乗り換えた懐かしいホーム。

 

 

  5050列車 上り養老行

 養老行は上りに2本しかありません。

 大垣20:15→20:39養老 

 京急コラボ色のD04編成 604+504→桑名方

 

 20:39に途中最大の拠点駅 養老に到着。

 暗い中、無人駅ばかりに止まりつつ24分走ってきましたが、ここはこの時間も駅員氏がいました。

 5050列車から降りたのは運転士氏と私だけで、不思議そうな顔をしていました。

 

 静寂につつまれた養老駅。

 

 3番線に入ったD04編成2連はここでマルヨらしい。時刻表を見ると、最終の上り大垣発養老行き5350レが23:45に着き、2本の編成がここでマルヨのようです。

 

 おそらく、左側3番線に入った、乗ってきた5050レは 翌朝の下り 養老5:33発の3551レ(→大垣5:55着)として折り返し。23:45着の大垣発上り終電5350レが2番線に入り、翌朝の5:44発3552レ桑名行きになるようです。下り(桑名→大垣)方向には養老止まりはありません。下りの終電時間帯は、もっと桑名寄りの駒野止まりと美濃松山止まりとなっており、そこでマルヨのもよう。車庫は西大垣です。

 

 では、24分後に来る 次の桑名行きまで、この何もないが好ましいホームでのんびりしましょう。駅本屋側ホームにはひょうたんがたくさんぶら下がっています。

 ちょっと寒くなってきましたが・・。

 

  (以下、続きます)