書かないのではなく書けない。
書くことによって、自分の中の知りたくない感情、認めたくない感情をはっきりと認識させられそうだから。
大泣きして心が壊れてしまうかもしれないから。
でも、私の気持ちの変化を記録としてとどめておくために、少しだけ書いておこうと思う。
息子が逝ってしまってから、悲しいことには変わりないのに、どこかでどうしても認めたく無くて、いつか「ただいまー」と帰ってくるような気がしていた。
信じたくない! 認めたくない!
現実がわかっていながらもその気持ちが強かった。
だけど最近、その気持ちに変化が起きている。
息子は死んだ。いくら待っても帰って来ない。
その事実がすーっと心に入り込んで来そうになる時が増えた。
事実を事実として認めること。
これはとても辛い。
打ち消そうとしても容赦なく入って来る。
感情の過渡期に来ているのだと思う。
この過渡期を乗り越えないと先へは進めないことはわかっている。
だけどそれは辛すぎるから、このまま息子の帰りを待つ自分でいたいとも思う。
息子が死んだ。
今更ながらその事実に愕然として涙が零れる。
時間薬なんて無かった。
時間が経てば経つ程に苦しくなる。
スマホの中の写真を探している時、不意に出て来る息子の写真。
棺の中で眠っている写真もある。
慌ててスマホを閉じる。
写真をロック付きのアルバムに移すことさえできない。
辛くて辛くて堪らない。
息子の死を完全に認めた後には、きっとより大きな悲しみがやってくるのだと想像できる。
怖くて、怖くて。認めることが。
やっと気持ちを少し吐き出せたけど、心臓がバクバクしている。
書きながら、涙を拭き鼻をかみ、大量のティシュのゴミの山ができた。
ずっと心が葛藤で沈んでいた。
そして心の不調は体にも表れる。
そのお話はまた今度。
辛い。