しいたけ | 凪の時間 (滑膜肉腫と共に)

凪の時間 (滑膜肉腫と共に)

高校1年生の時に滑膜肉腫を発症した息子の記録です。
約6年の闘病生活。転移、所術は数知れず。
亡くなる瞬間まで生きることに全力を傾けた息子の生の姿です。
2023.11.19以降は、母の想いを綴る独り言日記に変わりそうです。

息子の体力の低下が激しくなって、1日の全てをベッドの上で過ごすようになった頃。

 

息子はテレビを観るのは好まないし、ずっとスマホでゲームしたり、LINEしたり、動画をを観ていたり。

 

毎日、訪看さんとリハビリさんが来てくれていたけど、帰ってしまうと私の出入り以外には部屋の景色は止まっている。

 

これでは気が滅入るんじゃないかなと

 

https://item.rakuten.co.jp/drmori1/10000202/?iasid=07rpp_10095___e8-lrpyl0kk-c6-57937511-b1bd-4cbb-b683-f8d101967ab7

 

画像出ないかな?

 

「しいたけ栽培キット」を部屋に置いてみた。

 

しいたけは成長が早く、毎日見た目が変化する。

 

思惑通り、しいたけはポコポコ頭を出し、あっと言う間に収穫になった。

 

収穫したしいたけは息子の食事に。

 

息子が食事を食べたり食べれなかったりするようになると、しいたけの霧吹きのことなどすっかり忘れていた。

 

息子が逝ってしまってからは、目の前にあってもその存在すら頭の中になかった。

 

いつものようにお仏壇に手を合わせて、立ち上がろうとした時になんかおかしい。

 

何かが違うと思ってよく見ると、

 

 

とっても大きなしいたけが!

 

しいたけの生えている木の直径よりも大きなしいたけきのこ

 

息子の部屋は、息子がいなくなってから時間が止まったような空間だったけど、水分も与えられない中で黙々と育っていたしいたけ。

 

その生命力の強さに驚くと同時に、なんだかとてもいじらしく可愛い存在に思えた。

 

すごいなぁ、しいたけ。

 

もう一度榾木をお水に浸けて、生えたがっているしいたけに育ってもらおう。