夢・・・捨てた訳じゃ無かった | 凪の時間 (滑膜肉腫と共に)

凪の時間 (滑膜肉腫と共に)

高校1年生の時に滑膜肉腫を発症した息子の記録です。
約6年の闘病生活。転移、所術は数知れず。
亡くなる瞬間まで生きることに全力を傾けた息子の生の姿です。
2023.11.19以降は、母の想いを綴る独り言日記に変わりそうです。


今日は息子は通院。
放射線科の予約が入っている。

やっぱり一緒に行くのは拒否されたので、私は息子の大学病院のすぐそばの、自分の病院へ行くことにした。

車で同乗し、私の病院で降ろしてもらって息子は自分の大学病院へ。

なので今は病院で順番待ち。

車の中でたくさん話した。
とは言っても、ほとんど私の独り言みたいになってしまったけれど。
言いたいことは伝わったと信じてる。

息子がどんな決定をしても、尊重しようと思う。

恐怖の息子の部屋


暫く息子の部屋に入っていない。
嫌がられるし、私も怖くて入れない真顔

理由は汚いから。

そろそろ手を出さなきゃいけない頃だと思って、片付けに入った息子の部屋は・・・想像の域を遥かに超えていた驚き

息子のベッドは木製のロフトベッドで下は全面机になっている。

そこに、所狭しとペットボトルや空き缶が並び、ほとんどが半分くらい中身が入っている。

机の上はそのような状態で何も置けないので、床に大きなゲーム用のモニターやらルーターやらが置いてある。

自分の座る場所以外は服に埋もれ、そこにお菓子のパッケージなどのゴミも混ざっている。

缶やペットボトルの中身を捨ててラベルを剥がし、ゴミをかき集め、散らかっている服や靴下等を洗濯し、空間を空間と認識できるようにするのに1日かかってしまったオエー

帰宅した息子、特に怒ることもなく、

「続きは自分でやってね」

と言ったら

「わかった」

と、返事をしていた。

自分でも、どこから手を付けていいのかわからなくなっていたようだった。

暫く自分の部屋でゴソゴソしていた息子、

「教科書、たくさんありすきるから、
旅行用のキャリーバッグに入れておいてもいい?」

と聞きに来た。

「教科書? 何の?」

「大学の教科書だよ。すごい量だから」

「いらないんだから捨てたら?」

「要るに決まってるじゃん。病気が落ち着いたら、辞めた学年から復学するんだから」

そんなこと考えてたんだびっくりマーク

通院ばかりで、出席日数が足りなくて、代わりのレポートを必死に提出していたけどそれじゃダメって言われて、私が大学と話をする前にさっさと退学届を出してしまった息子。

もう完全にやる気が無くなったのだと思ってた。

だから、息子の言葉にビックリ目するやら嬉しいやら。

休む時間、考える時間、解放される時間が息子には必要だったのね。

あの時何か言ったら、息子の心は壊れてしまったかもしれない。

わかってもらえないと、孤独感と絶望感に囚われてしまったかもしれない。

黙って見守っていてよかったニコニコ

もう子どもじゃないんだものね。

口を出したくなる時はたくさんあるけど、先ずは息子を信じて、息子の意思を尊重してあげようと思う。

教科書を大切に仕舞う息子。

あなたが願うように、いつか病気とも病院とも縁が切れて、普通の大学生になれるといいね!!

その歩みはゆっくりだけどかたつむり、夢を捨てて無いことが本当に嬉しかった音符

それも踏まえて、今日は放射線科で話をしてくるんだね。

夢を持っている人は強いんだ。
ゆっくりゆっくり前へ進もう。

何も言わないけど、いつも、ずっと、応援しているよハート