焼きそばパン
わたしには、子供の頃からの好物がいくつかあるのですが、焼きそばパンも、
その一つです。
わたしの通っていた小学校には給食場があり、毎日そこで給食が作られていました。
カレーやクリームシチュー、揚げパンなど、色々と人気メニューがありましたが、
その中でも、焼きそばの人気が高かったように覚えています。
しかもちょっと変わっていて、一般的なソース味ではなく、カレー風味の焼きそばでした。
その名も、『インディアン焼きそば』。
ほんのり黄色みがかった、ドライカレーのような感じの味でした。
ある日の給食に、この焼きそばが出ました。ふとひらめいて、パンを割って中に
焼きそばを挟んでみました。お手製焼きそばパンです。それを見ていた何人かの
男子が、からかおうと近寄ってきたのですが、わたしは平然と
「おいしいで。」
面食らった男子たちは退散していきましたが、その後わたしをまねて
焼きそばパンを試したようで…
以来わたしのクラスでは、手作り焼きそばパンの一大ブームが巻き起こりました。
今でも近所のコンビニなどで焼きそばパンを見かけると、幼なじみに会ったような、
ほっと懐かしい気持ちになります。
illustration by naggy
『おいしい!パンBOOK』洋泉社

わたくしが挿絵を担当させていただきましたお料理ムックが、5月26日(金)発売されました。
洋泉社さんの『おいしい!パンBOOK』です。
サンドイッチに関するあらゆることが紹介されており、洋泉社さんのページで、
本の内容を少しご覧いただけます。
→ 洋泉社 『おいしい!パンBOOK』
わたくしのイラストは、見開き2ページで掲載されています。
お馴染みのハムサンドや卵サンドから、フルーツサンドやカツサンド、
バインミーやパニーノといった外国のサンドイッチなど12種類のサンドイッチと、
扉絵用に、爆盛りメガ盛りサンドのイラストを描きました。
書影を見てビックリしたのですが、わたくしが「爆盛りメガ盛り」でイメージして描いた
イラストが、表紙のお写真とイメージが合っていて嬉しいです。
今回は、描いている最中サンドイッチが食べたくなり、とてもお腹が減りました。
書店でお見かけの際は、ぜひお手に取ってご覧下さい。
出版社:株式会社 洋泉社
<こちらでお求めいただけます>
hontoネットストア/MARUZEN&ジュンク堂
紀伊国屋書店
Amazon
他、全国各書店
by naggy
ちらし寿司

春は別れの季節とも言いますが…
先日用事で実家に帰った際、寂しいニュースを聞きました。
子供の頃から慣れ親しんだ近所のお寿司屋さんが、この春でお店を畳まれるとのこと。
わたしが小さい頃は、寄り合いや法事などで大人用にお料理を注文する時に、
子供用として巻き寿司やお稲荷さん、伊達巻きのお寿司などを桶に入れてもらい、
小さい子たちで分けていました。
中学生ぐらいになった頃、「コレは、あんたの分やで」と母に言われて、蓋付の四角い桶を
一つ渡されました。それは大人用に注文した、ちらし寿司でした。
一人前を残さず食べられるようになったからなのですが、大人の仲間入りができたようで、
嬉しかったのを覚えています。
マグロやエビやイカなど、きれいなお刺身が沢山載っていて、ごはんの上には桜デンブと
刻み海苔と錦糸卵、彩りにパセリと缶詰のサクランボが添えられていて。
カラフルなお寿司を眺めながら、どこから食べ始めようかと迷いました。
これからは、もうあのちらし寿司食べられへんねんなぁ…
そう思うととても寂しくて、記憶を頼りに描いてみました。
そして、「今までありがとうございました」と、お手紙を書きました。
4月間近になってもなかなか温かくならず、わたしの住む町では桜はまだつぼみのままです。
今年の春は、ゆっくりスタートしそうです。
illustration by naggy
