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中小企業の知的資産経営と災害対策・BCP

強みを見える化して活かす「知的資産経営」と、災害対策やBCP策定をご支援しています。

11月30日に東京商工会議所足立支部BCPセミナーを行いました。ZOOMオンラインセミナーです。

 

足立区は、洪水では荒川以外にも、利根川、綾瀬川、江戸川、芝川・新芝川、中川のハザードマップが作られており、水害リスクの高いところです。荒川洪水の場合、北千住駅周辺では5mの浸水が予想されています。建物の2階も浸水します。

 

ただ今回は最近地震が頻発していることもあり、首都直下地震について少し強調してお話ししました。首都直下地震のような都市型地震では、地震動はもちろんですが、それ以上に怖いのが火災です。例えば都心南部が震源の場合、都心中心部をとりまくドーナツ状に火災が発生します。

山手線外側から環状7号線の間の木密地域が特にリスクが高く、最悪41万棟が焼失し、

1万6千人が死亡するとされています。これは全死者の7割にあたります。

足立区は特に火災が想定される地域の一つです。

 

 

このように広域に火災が広がる原因の1つは「火災旋風」の発生です。

火災旋風とは、火炎を含んだ竜巻状の渦で、移動して火災を広域に拡大させます。大正関東地震、東京大空襲、東日本大震災で発生しています。

大正関東地震での火災旋風の様子が、東京都復興記念館に所蔵されており、Webでも見ることができます。これは両国橋近くで発生した火災扇風を現した絵です。人や自転車などが巻き上げられているのがわかります。

 

 

6月23日に川崎市主催で、川崎市の中原区・高津区の境にある、下野毛・宮内エリアの中小製造業の協同国愛である「下野毛工業協同組合」会館において、BCP講習会を行いました。会場でのリアル公演とZOOMのハイブリッドで実施しました。

 

下野毛工業協同組合は、多摩川沿いにある地区に61社が集積している協同組合です。マスコットキャラクターとして萌乃香(ものか)がいるらしいです。

この地区は2年前2019年の台風19号で、多摩川の水位上昇で多摩川への排水ができなくなり、1.0mの内水氾濫が発生した地域です。組合企業の多くが被災したそうです。このとき川崎市ではここを含め5カ所で同様の内水氾濫が発生しました。

今後も同様の内水氾濫は発生しうることと、多摩川が氾濫した場合にはさらに大きな被害が発生することから、川崎市が主体となって、地域企業で連携して災害対策に取り組むプロジェクトが昨年から行われています。今回の講習会はその一環で、個社のBCPの理解と策定を進めるために依頼されたものです。

 

みなさん真剣に聞いていただき、理解していただけたとは思いますが、小規模事業者も多く、そういうところにはフルスペックのBCPはハードルが高いかもしれません。そこで1ヶ月後の7月20日に、台風接近タイムラインの策定ワークショップを行います。タイムラインなら数人の工場であっても取り組むことができます。

6月16日、東京商工会議所の江東支部で「気象災害・大地震対策 BCP策定セミナー」を行いました。またも緊急事態宣言中だったのでZOOMで行いました。ZOOMセミナーもさすがにもう慣れてきた感じです。

 

今回は気象災害・大地震のなかでも台風接近の直前にとる防災行動計画を見える化した、災害タイムラインに重点を置いてお話させていただきました。

 

台風などの災害を進行型災害といいます。進行型災害はある程度災害の発生が予想できます。そこで災害発生までの時間経過において、いつ、誰が、何をするかを計画したものを、災害タイムラインと呼びます。台風や大雨で言えば、警戒レベル1が出てから実際に災害が発生するレベル5までの間にとる防災行動計画とも言えます。

 

BCPの策定は自社にはハードルが高いと感じている方も、タイムラインなら1日もあればできてしまいます。その割に直前にとる防災行動なのでその効果は大きいです。ただしあくまで直前の防災行動による防災・減災対策だけなので、発災後の緊急対応(初動対応)やその後の事業復旧は含まれていないことに注意が必要です。

 

災害タイムラインに関しては、今回と同じ東京商工会議所江東支部において、7月14日にZOOMで策定ワークショップを行います。

 

2月26日、東京商工会議所の葛飾支部で「ウィルス災害対策BCPセミナー」を行いました。緊急事態宣言中なのでZOOMで行いました。

 

新型コロナは、国内では第3波のさなかにあり、ワクチンの調達は不透明。世界でも再び増加に転じている国も多く、まさに道半ばの状況でなないでしょうか。

この間、社会と経済は大きく変わってきています

変わった理由はもちろんコロナ対策ですが、デジタル化を基盤とした非接触・分散型の社会では、「こういうやり方もあるんだ」「こういうやり方でもいいんだ」ということに私たちは気付いたと思います。

オンラインは、当初は不便だけど仕方ないと感じたかもしれませんが、徐々に新たな価値として「むしろプラス」と思えてきました。オンラインの価値を一段抽象化すると「場所の概念が変わった」ということだと思います。具体的には場所の概念から「距離」が消えたのです。距離が消えたということは移動が必要なくなったということで、むしろそれまでより不便どころかフレキシブルな社会が見えてきました。

 

ふりかえって、企業活動は外部環境を認識してこれに対応する形で、自社の強みを活かして必要な弱み補強を行いながら行います。これだけ社会と経済が大きく変わっているのですから、今行うべきは、感染対策はもちろんですが、このコロナのトンネルを抜けた時に広がっている外部環境の大きな変化に適応できるよう事業戦略を構築しなおすことです。

それこそが広い意味での「事業継続」といえるでしょう。

2月22日、あいおいニッセイ同和損保の東京中央支店で、「中小企業の災害対策セミナー」を、会場とSkypeのハイブリッドで行いました。会場は15人程度に制限されていましたが、それでも久々に普通のセミナーができました。

 

BCPセミナーでは毎回最初にリスクマネジメントの基本的手順をお話ししています。

リスクを知る →  インパクトを想定する →  対策を行う

の3ステップです。これは地震も水害も感染症も同じです。

 

 

この日は、東日本大震災からもうすぐ10年ということで、少し首都直下地震の話題を多めにし、本震に後続する災害を3つお話ししました。

 

<火災旋風>

これは火炎を含む竜巻です。大正関東地震のときも発生したのですが、その時の人が巻き上げられる様子が油絵で描かれています。

<地震洪水>

強い揺れにより河川の堤防が決壊しておきる洪水です。特に江東5区のようなゼロメートル地帯では大きな被害が出ます。

<群衆雪崩>

避難する群衆が密集することで、1人が転倒すると前後左右や多方向の人が引き込まれていく現象です。20年前に明石市の花火大会の時におきました。