近頃新装なった長崎市役所庁舎に行く。行くたびに思い出す話がある。
寺町方面を眺めた時に於てである。
現在の市消防局庁舎に立て替わる前、「望楼」なるものがった。
先日確認した処、約33mの高さがあったと言う。
海抜10mはあったろうから、43m位の高さがあった筈である。
今の市庁舎の高さからいうと9階位にあたろうか ── 。
そこから、火災発生に目をこらしていたのである。
ある年、秋の彼岸の折、望楼の消防士はお墓の清掃にて
煙たなびく寺町方面に目をこらしておった折、
墓参りの人の手提げを狙う窃盗犯を発見。
望楼から110番通報、望遠鏡にて犯人を追尾、
見事、現行犯逮捕に貢献したのであります。
私の父は当時消防局長、お手柄の消防士の取り扱いに
頭をひねったもののようでありました。
後日私に笑いながら話してくれました。
近頃、市役所から寺町方面をながめるたびに、
その話を思い出すのであります。
先日市消防局の5階講堂に於て、市防犯協会連合会の総会がありし折、
市防連理事の私、局員氏に旧消防局舎の望楼の高さを
お聞きした次第であります。