https://www.youtube.com/watch?v=wLkUufxaYm0
「ここで私は降りるね
歩いて行くから 先に行って」
目的地まで
かなり距離があるから
やめるように と夫が言うのも聞かず
こんなに美しい 自然界を
車で素通りするのが
もったいなくて
私は スマホだけを持って
車を降りた
今 まさに山々は
錦繍たけなわ
色づく木々の 祭りを
感じながら ひとり歩く
鳥の声 せせらぎの音だけが
私の道連れ
車は1台も走らないし
人にも 全く会わない
まぶしい陽射し
日焼けするのも 気にならない
たくさん写真を撮らずに いられなかった
あまりにも鮮やかな色だから
けれど 写真は
どれも 本当の色ではない
それがもどかしい
不意に 恐怖感にも襲われた
このあたりにも 熊が
出没しているのを 思い出した
奥山に住む 山の主が
クマザサをかき分けて
いつ 姿を見せないとも限らない
自然と 急ぎ足になって
汗がにじむ
その時 夫からの電話
ちょっと ホッとしながらも
「大丈夫 もう少しだから」と
強がりを言う
紅く色づく木の葉たちと
秋の陽と
風と 遊んだひととき
添付曲は葛西竜之介「星彩」。
星の世界を表現した曲なのでしょう。
でも、この散策の間、
私の心に聴こえていたのは
この曲でした。