今日は もう大分前から
考えただけでも 気が
重くなっていた胃カメラの日
年に一度は 受けなければと
今回は 自分から志願したくせに
いざとなると 怖気づいてしまう
逃げ出したい気分のまま
刻々と その時は迫る
胃の洗浄の薬を飲む時
「10分くらいですよね」と
もう10回は経験しているくせに
改めて 聞いてみる
「10分もかかりませんよ」との
看護師の返事に ちょっと救われる
確かに 今日は短く感じた
苦しみを乗り越えたら
あの場所に行こう
胃カメラの間 それを希望にして
がんばった
結果は これまでと変わりなし
安心感に 心が軽くなる
その後 向かったのは
今年になって 何度も
訪れている 加納美術館である
そこに行くことを 苦しみを越えた後の
楽しみにしていた私だった
まるで 子供のように
加納美術館は 深い緑に囲まれていた
周囲の水田の稲には もう穂が出ている
たくさんの赤とんぼが
水田の上を スイスイと飛び回る
庭園には白萩が 枝を伸ばす
満開の花の頃 また訪れようか
美術館前の布部川の畔も
緑に占領されている
美術館では 今「SouMa 白の宇宙(せかい)展」が
開催されている
立体切り絵作家SouMaの 繊細で優美な作品の数々
その繊細さは 想像を
はるかに超えていた
人間わざとは思えないほど
微細な芸術に 驚きと感動を与えられた
午後は仕事
午前中の胃カメラと美術館が
夢の中の出来事だったかのような
日常が 戻った