https://www.youtube.com/watch?v=u_fvp6dXhn0
昨夜はホタルを探しに
夜勤明けの夫と
8時半を回ってから 出かけた
まず向かったのは 毎年6月初め
暗闇に川音が響いている
目を凝らして 幻想的な光を探すが
ひとつも 見えない
10年前になるだろうか
10匹以上のホタルが 川辺を
フワリフワリと 飛び交う光景を見たのに
夜9時は もう遅かったのだろうか
最近 この地区でも
クマが目撃されたという
長居は禁物
早々に立ち去る
だが まだ諦め切れない
どこかに ホタルはいるはずだ
そこで 思いついた
ホタルはニナ貝の
たくさん生息する川に出ると聞く
ニナ貝といえば 親戚の家の前の水路に
ギッシリと付いているのを
子供の頃 よく採って遊んだものだった
そこへ行こう
夫とふたり 良い歳をして
まるで 無邪気な遊びである
親戚の家の前を通って
能義平野の広大な田へと 流れる水路
夜の青田の中に立って 眺めたが
そこからは 親戚の家が間近に見える
その家の明かりを見ていたら
なつかしさで 胸が締めつけられた
子供の頃のように 無遠慮に
訪ねて行きたい思いに 駆られた
だが 日中でも何の用事もなく
訪ねることなど もう出来ない
それを思ったら ますますせつなくなった
月もない闇夜
ホタルは見つけられずに
追憶で胸を一杯にして
帰路につく