https://www.youtube.com/watch?v=eojddPq6o7M
足立美術館に行った
じっくりと 横山大観を感じてみた
と言っても 絵画についてはほとんどわからない
ただ どの絵もすばらしい・・・としか言えない自分がもどかしい
今回 特に私が気になって見たのは
作品と その作品を完成した時の大観の年齢である
若い頃から 随分老成した絵を描いている
その画風が ある時を境に少し変わって行く・・・
その時彼の人生に 何かがあったのだろうか
今の私の年齢と同じ年齢に描かれた絵を
特によく見てしまった
大観は限りなく豊かに 緻密に 深遠に
たった1枚の紙の上に 壮大な世界を創り上げている
それは大観の生き様の結晶とも 思えた
私には 何か誇れるものがあるだろうか・・・?
今まで自分は 何をして来たのだろう・・・?
大観の絵を前に 襟元を正されるような気持ちになった
そんな時 後ろの方で関西弁の男性の声
「この人はスズメが好きやったんやなぁ・・・
スズメの絵ばっかりや」
その言葉がユーモラスに聞こえて ちょっと笑ってしまう
絵を見ながら 人はそれぞれ
いろいろな事を感じているものだなぁ・・・と
そして 思い出した言葉がある
山水は言葉なし
人をもって心となす
自然は伝える言葉を持たない
それを見る人間の感じ方で 自然はどのようにも見える
心を入れるのは見る人間である という意味だという
絵を見ていると ただ絵筆の先で描いてあるのではなく
その1枚の絵の源泉には
大いなる哲学があるのだと感じた
大観によって 心を入れられた山水は
とてつもない広がりと 深さを持った
だからこそ 画家は世を去っても
作品は後世にまで受け継がれ
賞賛され続けるのだろう
「筆を持って絵を習う事は そう大騒ぎしなくても良いのです。
それよりも人物をつくる事が大事で、
それを土台にしないことには いくらやっても駄目な事です。」(画は人なり 「大観画談」より)