冬枯れて 葉をすっかり落とした木々が
林の中 思い思いのスタイルで
踊りの一瞬の動きを そこで止めたかのように
ポーズを取っている


天に向かって
無数の手を 差し伸べる
光を求めるように
まさに それは手
しなやかな 表情を持つ手

どの木を見ても
すばらしい かたち
素敵な シルエット
美しく 見事な立ち姿
何十メートルもある背の高い巨木
その木はいったい いつ生まれ
どれだけの時間を 刻んだか
葉を繁らせては 冬枯れる
そのサイクルを 繰り返しながら
こんなにも立派に成長した

木は 言葉は持たない
声無きメッセージを 発してはいるが
人間には 届きにくい
人間は あまりに忙し過ぎるから
木の声になど かまってはいられない
耳を澄まして
心を静めて
木々の声に聞き入りたい
葉をまとわず ありのままの姿となっている
今 この時に
