栗原小巻さん主演 「メアリー・スチュアート」を観て | nagarenotokiのブログ

nagarenotokiのブログ

四季折々、自然の姿に感じること


待望の人が やって来た
再会を ずっと待っていた
なつかしい人である
その人は 冷え切った私の手を
あたたかく 柔らかな手で
包んでくれた

栗原小巻さん
ちょうど4年前
初めてお話をしてから
ますます すばらしい女優として
私の心に 燦然と輝いていた
その人は今 「メアリー・スチュアート」となって
旅の途上にある


舞台の上は 約500年前のイギリス王朝
実在した高貴な女性2人の確執
2人は血縁でありながら 数奇な運命に翻弄され
歴史にその生きざまを刻んでいる

1人は スコットランド女王でありながら
何もかも失い 幽閉され
死と向かい合って生きる メアリー・スチュアート(栗原小巻さん)
もう1人は イングランド女王エリザベス一世(樫山文枝さん)

女王エリザベスは 深い孤独と
猜疑心の虜となっている
自分は民衆の奴隷だとさえ 口にする
最高の権力者としての決定権
それは彼女を深く 悩ませる
1つ間違えれば 大変な事態を招くのだ
常に威厳ある態度で 国を治めなければならない
弱みを見せることなど あってはならない存在なのだ
エリザベスは自分の立場に忠実な 有能な女王だったと思う

一方メアリー・スチュアートは19年という 長い歳月幽閉され
人間らしい自由も得られず
死への不安と恐怖 理不尽な扱いへの怒りを抱いて過ごしたが
信仰によって 救われる
冤罪を負わされ 処刑を言い渡された時
彼女は 崇高な精神に至っていた
静かに死を受け入れ 処刑の命令を下したエリザベスを許し
国の安寧を祈りつつ 天に召される

 メアリー・スチュアート
 
 エリザベス一世  画像はネットより
2人それぞれが それぞれの立場で
悩み 苦しんだのだ
結局 メアリー・スチュアートは
死ななければならなかった
それは歴史上に 数多くあった出来事
そして 今でも起こっている出来事である
メアリー・スチュアートが 私に一番強く訴えかけたのは
人1人の命の重さだった
メアリーの苦悩する姿を そして処刑台へと毅然としてのぞむ姿を
私は忘れられないことだろう
栗原小巻さんの 手のぬくもりと共に


   栗原小巻さん、樫山文枝さんはじめ
   すばらしい舞台で感動させてくださったエイコーンの皆様の
   旅のご無事とご活躍を祈ります。
   今回も本当にありがとうございました。